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藤吉
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とうきち
ふりがな文庫
“
藤吉
(
とうきち
)” の例文
肩
(
かた
)
を
掴
(
つか
)
んで、ぐいと
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
った。その
手
(
て
)
で、
顔
(
かお
)
を
逆
(
さか
)
さに
撫
(
な
)
でた八五
郎
(
ろう
)
は、もう一
度
(
ど
)
帯
(
おび
)
を
把
(
と
)
って、
藤吉
(
とうきち
)
を
枝折戸
(
しおりど
)
の
内
(
うち
)
へ
引
(
ひ
)
きずり
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼は子供の時分
比田
(
ひだ
)
と将棋を差した事を偶然思いだした。比田は盤に向うと、これでも
所沢
(
ところざわ
)
の
藤吉
(
とうきち
)
さんの御弟子だからなというのが癖であった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
土井
勇次郎
(
ゆうじろう
)
、山口
藤吉
(
とうきち
)
の二人と、傷ついた身をここへ
遁
(
のが
)
れて来たのは、むろんそのためだけではない、どこまでも大弐を刺そうと思ったからである。
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
當人
(
たうにん
)
、
女
(
をんな
)
にかけては
其
(
そ
)
のつもりで
居
(
ゐ
)
る
日
(
ひ
)
の
下開山
(
したかいざん
)
、
木
(
き
)
の
下
(
した
)
藤吉
(
とうきち
)
、
一番鎗
(
いちばんやり
)
、
一番乘
(
いちばんのり
)
、
一番首
(
いちばんくび
)
の
功名
(
こうみやう
)
をして
遣
(
や
)
つた
了簡
(
れうけん
)
。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「百姓がばかばかしいて、百姓の子が百姓しねいでどうするつもりかい。あの
藤吉
(
とうきち
)
や
五郎助
(
ごろすけ
)
を見なさい。百姓なんどつまらないって飛び出したはよいけど、あのざまを見なさい」
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
次は田町の
鋳掛屋
(
いかけや
)
の倅
藤吉
(
とうきち
)
、これは十二になって、
逞
(
たくま
)
しい子でしたが、夕方使いに出た帰り、近道をして浜で曲者に襲われ、持物も着物も滅茶滅茶に千切って捨てて、それっきり姿を見せません。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤吉
(
とうきち
)
が、あたふたと
行
(
い
)
ってしまうと、
春信
(
はるのぶ
)
は
仕方
(
しかた
)
なしに
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
前
(
まえ
)
に
置
(
お
)
いた
下絵
(
したえ
)
を、
机
(
つくえ
)
の
上
(
うえ
)
へ
片着
(
かたづ
)
けて、かるく
舌
(
した
)
うちをした。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それには
答
(
こた
)
えずに、
藤吉
(
とうきち
)
の
手
(
て
)
から
羽織
(
はおり
)
を、ひったくるように
受取
(
うけと
)
った
春信
(
はるのぶ
)
の
足
(
あし
)
は、
早
(
はや
)
くも
敷居
(
しきい
)
をまたいで、
縁先
(
えんさき
)
へおりていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
藤
常用漢字
中学
部首:⾋
18画
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“藤吉”で始まる語句
藤吉郎