“片着”の読み方と例文
読み方割合
かたづ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不残のこらずずツと引込んで、座敷の隅々すみずみ片着かたづいて、右も左も見通しに、開放あけはなしの野原も急に広くなつたやうに思はれたと言ひます。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
藤吉とうきちが、あたふたとってしまうと、春信はるのぶ仕方しかたなしにまつろうまえいた下絵したえを、つくえうえ片着かたづけて、かるくしたうちをした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ある晩私は背戸せどすえ風呂から上って、椽側えんがわを通って、わきの茶の間に居ると、台所を片着かたづけた女中が一寸ちょいとうちまでってくれと云って、挨拶をして出て行く、と入違いれちがいに家内は湯殿に行ったが
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)