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薄紅梅
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うすこうばい
ふりがな文庫
“
薄紅梅
(
うすこうばい
)” の例文
そして、
薄紅梅
(
うすこうばい
)
に、
青摺
(
あおずり
)
の
打衣
(
うちぎぬ
)
を襲ねた
裳
(
もすそ
)
からこぼれた得ならぬ薫りが、いつまでも、自分のあとを追ってくるような気もちにとらわれた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三度目に、○、
円
(
まる
)
いものを書いて、線の
端
(
はし
)
がまとまる時、
颯
(
さっ
)
と地を払って空へ
抉
(
えぐ
)
るような風が吹くと、谷底の
灯
(
ひ
)
の影がすっきり
冴
(
さ
)
えて、
鮮
(
あざや
)
かに
薄紅梅
(
うすこうばい
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
(
ひ
)
くもこぢたけれど二
月
(
ぐわつ
)
ばかりの
薄紅梅
(
うすこうばい
)
あわ
雪
(
ゆき
)
といふか
何
(
なに
)
か
知
(
し
)
らねど
濃
(
こ
)
からぬほどの
白粉
(
しろいもの
)
に
玉虫
(
たまむし
)
いろの
口紅
(
くちべに
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
島田に
銀元結
(
ぎんもっとい
)
をかけ、
薄紅梅
(
うすこうばい
)
の振袖を腕のところで引きあわせるようにして、しんなりと立っている。
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
憎い事、恋の手習するとは知れど、式部の藤より紫濃く、
納言
(
なごん
)
の花より
紅
(
くれない
)
淡き、青柳町の
薄紅梅
(
うすこうばい
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
鮮紅
(
からくれなゐ
)
と、
朱鷺
(
とき
)
と、
桃色
(
もゝいろ
)
と、
薄紅梅
(
うすこうばい
)
と、
丹
(
に
)
と、
朱
(
しゆ
)
と、くすんだ
樺
(
かば
)
と、
冴
(
さ
)
えた
黄
(
き
)
と、
颯
(
さつ
)
と
點滴
(
したゝ
)
る
濃
(
こ
)
い
紅
(
べに
)
と、
紫
(
むらさき
)
の
霧
(
きり
)
を
山氣
(
さんき
)
に
漉
(
こ
)
して、
玲瓏
(
れいろう
)
として
映
(
うつ
)
る、
窓々
(
まど/\
)
は
恰
(
あたか
)
も
名
(
な
)
にし
負
(
お
)
ふ
田毎
(
たごと
)
の
月
(
つき
)
のやうな
汽車
(
きしや
)
の
中
(
なか
)
から
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、もう打頷く
咽喉
(
のど
)
の影が、半襟の縫の
薄紅梅
(
うすこうばい
)
に白く映る。……
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白がさねして、
薄紅梅
(
うすこうばい
)
に銀のさや
形
(
がた
)
の
衣
(
きぬ
)
、
白地
(
しろじ
)
金襴
(
きんらん
)
の帯。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
梅
常用漢字
小4
部首:⽊
10画
“薄紅”で始まる語句
薄紅
薄紅色
薄紅葉