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蔽
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お
ふりがな文庫
“
蔽
(
お
)” の例文
「どうした」と云いながら、
蔽
(
お
)
い
被
(
かぶ
)
さるように細君と千代子の上から宵子を
覗
(
のぞ
)
き込んだが、一目見ると急に
眉
(
まゆ
)
を寄せた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
深山に連絡している周囲が、女のことについて、いろいろに自分を批評し合っているその声が始終耳に
蔽
(
お
)
っ
被
(
かぶ
)
さっているようで、暗い影が頭に
絡
(
まつ
)
わりついていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『あら、
日出雄
(
ひでを
)
は、ま、どんなに
憘
(
うれ
)
しいんでせう。』と
言
(
い
)
つて、
紅
(
くれない
)
のハンカチーフに
笑顏
(
えかほ
)
を
蔽
(
お
)
ふた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と目を
蔽
(
お
)
うていた袖口をはらりと落すと、
瓦斯
(
がす
)
の
遠灯
(
とおあかり
)
にちらりと
飜
(
かえ
)
る。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小夜子は氷嚢を盆へ
載
(
の
)
せた。両手を畳の上へ突いて、盆の上へ
蔽
(
お
)
いかぶせるように首を出す。氷嚢へぽたりぽたりと涙が垂れる。孤堂先生は枕に着けた
胡麻塩頭
(
ごましおあたま
)
を
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
十幾年来覚えなかった安らかな夢を結んだりした時には、
爛
(
ただ
)
れきった
霊
(
たましい
)
が
蘇
(
よみがえ
)
ったような気がしたのであったが、濁った東京の空気に
還
(
かえ
)
された瞬間、生活の疲労が、また重く頭に
蔽
(
お
)
っ
被
(
かぶ
)
さって来た。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
石段
(
いしだん
)
を
下
(
お
)
り
切
(
き
)
ると、
大
(
おほ
)
きな
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
が
左右
(
さいう
)
から
二人
(
ふたり
)
の
頭
(
あたま
)
に
蔽
(
お
)
ひ
被
(
かぶ
)
さる
樣
(
やう
)
に
空
(
そら
)
を
遮
(
さへぎ
)
つた。
闇
(
やみ
)
だけれども
蒼
(
あを
)
い
葉
(
は
)
の
色
(
いろ
)
が
二人
(
ふたり
)
の
着物
(
きもの
)
の
織目
(
おりめ
)
に
染
(
し
)
み
込
(
こ
)
む
程
(
ほど
)
に
宗助
(
そうすけ
)
を
寒
(
さむ
)
がらせた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
石段を下り切ると、大きな樹の枝が左右から二人の頭に
蔽
(
お
)
い
被
(
かぶ
)
さるように空を
遮
(
さえぎ
)
った。
闇
(
やみ
)
だけれども蒼い葉の色が二人の着物の織目に染み込むほどに宗助を寒がらせた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蔽
常用漢字
中学
部首:⾋
15画
“蔽”を含む語句
日蔽
蔽被
蔽膝
隠蔽
蔽布
立蔽
打蔽
蔽重
蔽包
掩蔽
遮蔽
蔽物
掩蔽物
言路壅蔽
蔽覆
覆蔽
蔽蓋
蔽隠
隱蔽
遮蔽膜
...