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蒼白
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あをしろ
ふりがな文庫
“
蒼白
(
あをしろ
)” の例文
しばらく
黙然
(
もくねん
)
として三千代の顔を見てゐるうちに、女の
頬
(
ほゝ
)
から
血
(
ち
)
の
色
(
いろ
)
が次第に
退
(
しり
)
ぞいて
行
(
い
)
つて、普通よりは
眼
(
め
)
に付く程
蒼白
(
あをしろ
)
くなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今一人は十八か、九には
未
(
いま
)
だと思はるるやうの
病美人
(
びやうびじん
)
、顔にも手足にも血の気といふもの少しもなく、透きとほるやうに
蒼白
(
あをしろ
)
きがいたましく見えて、折から世話やきに来てゐたりし、差配が心に
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
代助は
蒼白
(
あをしろ
)
く見える自分の脳髄を、ミルクセークの如く廻転させる
為
(
ため
)
に、しばらく旅行しやうと決心した。始めは
父
(
ちゝ
)
の別荘に行く
積
(
つもり
)
であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三千代は
夫
(
それ
)
以上を
語
(
かた
)
らなかつた。代助も
夫
(
それ
)
以上を聞く勇気がなかつた。たゞ
蒼白
(
あをしろ
)
い三千代の顔を眺めて、その
中
(
うち
)
に、漠然たる未来の不安を感じた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
曝露
(
ばくろ
)
の
日
(
ひ
)
がまともに
彼等
(
かれら
)
の
眉間
(
みけん
)
を
射
(
い
)
たとき、
彼等
(
かれら
)
は
既
(
すで
)
に
徳義的
(
とくぎてき
)
に
痙攣
(
けいれん
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
乘
(
の
)
り
切
(
き
)
つてゐた。
彼等
(
かれら
)
は
蒼白
(
あをしろ
)
い
額
(
ひたひ
)
を
素直
(
すなほ
)
に
前
(
まへ
)
に
出
(
だ
)
して、
其所
(
そこ
)
に
燄
(
ほのお
)
に
似
(
に
)
た
烙印
(
やきいん
)
を
受
(
う
)
けた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
それへ
東窓
(
ひがしまど
)
を
洩
(
も
)
れる朝日の
光
(
ひかり
)
が、
後
(
うしろ
)
から射すので、
髪
(
かみ
)
と
日光
(
ひ
)
の
触
(
ふ
)
れ
合
(
あ
)
ふ
境
(
さかい
)
の所が
菫
(
すみれ
)
色に
燃
(
も
)
えて、
活
(
い
)
きた
暈
(
つきかさ
)
を
脊負
(
しよ
)
つてる。それでゐて、
顔
(
かほ
)
も
額
(
ひたひ
)
も甚だ
暗
(
くら
)
い。
暗
(
くら
)
くて
蒼白
(
あをしろ
)
い。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「えゝ。
出来
(
でき
)
たの」と云つた。大きな黒い
眼
(
め
)
が、
枕
(
まくら
)
に
着
(
つ
)
いた三四郎の顔の
上
(
うへ
)
に落ちてゐる。三四郎は
下
(
した
)
から、よし子の
蒼白
(
あをしろ
)
い
額
(
ひたひ
)
を見上げた。始めて
此女
(
このをんな
)
に病院で逢つた
昔
(
むかし
)
を思ひ
出
(
だ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“蒼白(蒼白色)”の解説
蒼白色(そうはく-しょく)は色の一つ。青白(あおじろ)とも。JIS慣用色名には含まれない。同名で2系統の色がある。
(出典:Wikipedia)
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
“蒼白”で始まる語句
蒼白化
蒼白顏
蒼白痩削