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莫逆
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ばくぎゃく
ふりがな文庫
“
莫逆
(
ばくぎゃく
)” の例文
江漢老人と五百之進とは、心と心をゆるし合った
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友。その子と
娘
(
こ
)
とは、おさない頃から親の目にもわかっていた初恋の仲——。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのやうな
語
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
かせて
予
(
わし
)
を
切
(
き
)
りさいなむとは
酷
(
むご
)
いわい、つれないわい、それでも
高僧
(
かうそう
)
か、
司悔僧
(
しくわいそう
)
か、
教導師
(
けうどうし
)
か、
莫逆
(
ばくぎゃく
)
と
誓
(
ちか
)
うた
信友
(
しんいう
)
か?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「イヤ御遠慮あるな伯父ごとは
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友なり、
足下
(
そっか
)
の事は書中にて承知致したり、心置きなくまず我方に居られよ」と
快濶
(
かいかつ
)
なる詞有難く
良夜
(新字新仮名)
/
饗庭篁村
(著)
どうじゃ。驚いたかな。わしの名はな、
子輿
(
しよ
)
というてな、
子祀
(
しし
)
、
子犁
(
しれい
)
、
子来
(
しらい
)
という三人の
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友がありますじゃ。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「それでよし、元々貴公達は、
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の仲ではないか、一婦人のために、刀まで抜き合うとは何んたることだ」
奇談クラブ〔戦後版〕:04 枕の妖異
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
夫人は御承知でしょうが、シュテッヘ大尉は、フォン・エッセン閣下の
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友でありまして、同じ
快走艇
(
ヨット
)
倶楽部でも、シーワナカの支部に属しておりました。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
また後に
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友となった小島成斎も、
夙
(
はや
)
く市野の家で抽斎と同門の
好
(
よしみ
)
を結んだことであろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そうだ、父の
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友たる本多
男爵
(
だんしゃく
)
さえ日本におればと、瑠璃子も考えた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「僕と胡先生とは、もう
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友になっております、結婚なんかしなくてもいいでしょう、それに
児
(
こども
)
は、もう
許婚
(
いいなずけ
)
になっておりますから、どうかあなたが僕に代って、胡先生に話してください」
胡氏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
下野国吹上藩主、
斎藤出雲守信継
(
さいとういずものかみのぶつぐ
)
は、壱岐守明敬と
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友である。
粗忽評判記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
かの光秀と藤孝とは、共に、信長に仕える前から
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友であった。忠興の妻の
珠子
(
たまこ
)
(
伽羅沙
(
がらしゃ
)
夫人)は、光秀のむすめであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄馬殿にしては、それが何より心配だ、幸い私の先代が鉄馬殿と、
謡
(
うたい
)
友達、
碁
(
ご
)
友達という以上に懇意で、
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の
念
(
おも
)
いがあったから、その友情に
縋
(
すが
)
って頼みたい——とこう乳母の口から言われるのだ。
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「彼とは
莫逆
(
ばくぎゃく
)
ですから」
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
光秀と
細川藤孝
(
ほそかわふじたか
)
、その子
忠興
(
ただおき
)
との関係は密接である。藤孝と光秀とは、多年、
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友たるのみならず、光秀のむすめの
伽羅沙
(
がらしゃ
)
は、忠興の妻でもある。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉とは、
清洲
(
きよす
)
時代からの
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友であり、おたがいの
莫迦
(
ばか
)
も知っていれば長所も知り合っている仲である。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生前武蔵と
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友であったというこの和尚は、武蔵の死後二十七年目の正月元旦に死んだものとみえる。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三成と刑部とは、
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友である。——佐和山と、
敦賀
(
つるが
)
とは離れていても、心はお互いに常に近かった。
大谷刑部
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友とかされて、武蔵と対照すべく、彼をも無意識に、高くしてしまったのではないかと思う。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
綿竹関の大将
費観
(
ひかん
)
と彼とは、
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友である。すなわち李厳は、この友に、玄徳の高徳を説いた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すこし感情を害したらしく、わけて無二斎とは生前
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の
友
(
とも
)
だったという内海孫兵衛丞などは
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手に
弓懸
(
ゆがけ
)
を着け、木綿の粗服に
馬乗袴
(
うまのりばかま
)
という姿で、一見、旗本の息子ぐらいにしか見えませんが、これは万太郎とは
莫逆
(
ばくぎゃく
)
の友だち、紀州和歌山城の
宰相頼職朝臣
(
さいしょうよりもとあそん
)
の
世嗣
(
よつぎ
)
、すなわち
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“莫逆”の意味
《名詞》
非常に親密な間柄であること。
(出典:Wiktionary)
莫
漢検準1級
部首:⾋
10画
逆
常用漢字
小5
部首:⾡
9画
“莫”で始まる語句
莫迦
莫大
莫
莫迦莫迦
莫斯科
莫迦々々
莫大小
莫連者
莫迦者
莫迦気