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脚下
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きゃっか
ふりがな文庫
“
脚下
(
きゃっか
)” の例文
というまでにも、正成は
脚下
(
きゃっか
)
の陣へ、一令だに
下
(
くだ
)
してはいなかったが、心もからだも自分と一つものにそれを見ることができていた。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
脚下
(
きゃっか
)
は文字通りの
屏風
(
びょうぶ
)
のごとき
壁立千仭
(
へきりつせんじん
)
、遥か真下に糸のような細さに見える
渓流
(
けいりゅう
)
をちょっと覗いただけでたちまち
眩暈
(
めまい
)
を感ずるほどの高さである。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
いっさいの建設は個々人が
脚下
(
きゃっか
)
を
照顧
(
しょうこ
)
しつつ、
一隅
(
いちぐう
)
を照らす努力を
払
(
はら
)
うことによってのみ可能であることを力説し、最後にそれを青年団と政治の問題に結びつけた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
英雄は古来センティメンタリズムを
脚下
(
きゃっか
)
に
蹂躙
(
じゅうりん
)
する怪物である。金将軍はたちまち桂月香を殺し、腹の中の子供を引ずり出した。残月の光りに照らされた子供はまだ
模糊
(
もこ
)
とした
血塊
(
けっかい
)
だった。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
脚下
(
きゃっか
)
は一
帯
(
たい
)
の
白砂
(
はくさ
)
で、そして
自分
(
じぶん
)
の
立
(
た
)
っている
巌
(
いわ
)
の
外
(
ほか
)
にも
幾
(
いく
)
つかの
大
(
おお
)
きな
巌
(
いわ
)
があちこちに
屹立
(
きつりつ
)
して
居
(
お
)
り、それにはひねくれた
松
(
まつ
)
その
他
(
た
)
の
常盤木
(
ときわぎ
)
が
生
(
は
)
えて
居
(
い
)
ましたが、
不図
(
ふと
)
気
(
き
)
がついて
見
(
み
)
ると
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
加うるに
彼
(
か
)
の
葡萄牙
(
ポルトガル
)
、
西班牙
(
スペイン
)
人らは、その西南諸島に加うる
権詐
(
けんさ
)
、
詭奪
(
きだつ
)
の手段を以て我に向わんと欲し、
而
(
しこう
)
して内国の人心は
洶々
(
きょうきょう
)
として、動乱の
禍機
(
かき
)
、
動
(
やや
)
もすれば宗教を
籍
(
か
)
りて、
脚下
(
きゃっか
)
に破裂せんとす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「そおら。読めたろ。
脚下
(
きゃっか
)
を見よ、と書いてあるが」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……
江
(
え
)
の
畔
(
ほとり
)
には柳や
槐
(
えんじゅ
)
のみどりが煙るようだし、亭の
脚下
(
きゃっか
)
をのぞけば、
蓮池
(
はすいけ
)
の
蓮
(
はちす
)
の花が、さながら袖を舞わす
後宮
(
こうきゅう
)
の美人三千といった
風情
(
ふぜい
)
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足羽九十九橋
(
あすわつくもばし
)
を
脚下
(
きゃっか
)
にして、そびえたつ
北
(
きた
)
ノ
庄
(
しょう
)
の城は北国一の
荒大名
(
あらだいみょう
)
、
鬼柴田勝家
(
おにしばたかついえ
)
がいる
砦
(
とりで
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時ならぬ二人のさけびと、茶碗の砕けたひびきとが、一つになって、居合す人々の耳を
愕
(
おどろ
)
かした時、伊織の体は、巌流の
脚下
(
きゃっか
)
へ、叩きつけられた小猫のように、もんどり打って投げられていた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“脚下”の意味
《名詞》
足元。足の下。
(出典:Wiktionary)
脚
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“脚下”で始まる語句
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