肉親にくしん)” の例文
彼女かのぢよは、片山かたやま一人ひとりためには、過去くわこの一さいてた。肉親にくしんともたなければならなかつた。もつとも、母親はゝおや實母じつぼではなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
医者も薬も、肉親にくしんのみとりさえもあきらめきって、たったひとり物置きのすみで、いつのまにか死んでいたというコトエ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
叔父おじであろうが、肉親にくしんであろうが、亡国ぼうこくの血すじのものとなれば、よせつけないのが戦国のならいだ。忍剣もうらみをのんでふたたびどこかの山奥へもどるよりすべがなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にしろとてもわれないものとおもんでいた肉親にくしん祖父じじが、もととおりの慈愛じあいあふれた温容おんようで、もだえているわたくし枕辺まくらべにひょっくりとその姿すがたあらわしたのですから、そのときわたくしのうれしさ
もうすまでもなく子供こども守護霊しゅごれいになられるものは、その子供こども肉親にくしんふか因縁いんねんかた……つまり同一系統どういつけいとうかたでございまして、男子だんしには男性だんせい守護霊しゅごれい女子じょしには女性じょせい守護霊しゅごれいくのでございます。