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ふりがな文庫
“
老爺
(
じい
)” の例文
長「困るナア、出来なけれア出来ると云って請合わなけりゃア
宜
(
い
)
いに、困るナア、親方にそう云っておくれ、お
老爺
(
じい
)
さんは何うした」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おお、六助
老爺
(
じい
)
さんか。べらぼうに寒いじゃねえか。今夜はよんどころなしに本所まで行って来たんだが、おめえも毎晩よく稼ぐね」
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
教会の
老爺
(
じい
)
さんの子か知ら。今考えて見ると此の子は悪い処にいあわせたもんだ。乃公は
此子
(
このこ
)
を
賺
(
すか
)
して凧糸を其胸へ巻きつけた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「蕨採りに来たのだが、はぐれてしまッたの、連れの者に。おイ、
老爺
(
じい
)
や、探して来てくれないか、ちょッと往ッて」
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
炭屋の
老爺
(
じい
)
やの話だと、うッかり寝転んでいる所を殺されたのだと云う。大方
昨日
(
きのう
)
も私の帰りを待ちかねて、此処らまで迎えに出ていたのであろう。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
あゝして四十年連れ添うた
老爺
(
じい
)
さまと別れは別れたが、あゝ今頃は何うしているだろうかと思って時々呼び寄せては、私が状袋を張ったお
銭
(
あし
)
で好きな酒の一口も飲まして
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
ある仏教信者のお
老爺
(
じい
)
さんに、「あなたのお
歳
(
とし
)
は?」と尋ねたところ、老人は「
阿弥陀
(
あみだ
)
さまと同じ歳です」と答えたので、さらに「では、阿弥陀さまのお歳は?」と、問うたところ
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
講中の
先達
(
せんだつ
)
とかで、植木屋の
老爺
(
じい
)
さんの弟の
連合
(
つれあい
)
にあたる人だが、こう私の家に不幸の起るのは——第一引越して来た方角が悪かったこと、それから私の家内の信心に乏しいことなどを言って
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あとから
跟
(
つ
)
いて行くのは乞食
体
(
てい
)
の
不快
(
いや
)
な
臭気
(
におい
)
のする
老爺
(
じい
)
。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
老爺
(
じい
)
さんまた
賺
(
だま
)
されなければいいが。」
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
とお
老爺
(
じい
)
さんを寐かしましたが、お梶は貞女でございますから、亭主の帰らんうちは寐ません。そのうち段々
夜
(
よ
)
が更けてまいりました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
源七にむかって、なんでも
可
(
い
)
いから是非
刺青
(
ほりもの
)
をしてくれと頼んだのですが、
老爺
(
じい
)
さんも素直に
諾
(
うん
)
とは云わなかったそうです。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
老爺
(
じい
)
さん、此間直した風呂桶が
最早
(
もう
)
洩り始めたよ。お前酔っぱらっていて
好
(
い
)
い加減な事をして行ったのだろう」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
老婆は
老爺
(
じい
)
の出て往くのを見送り、それから
花筵
(
はなござ
)
を引き出して来て
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
なに関宿まで参りやしたが野田の祭を見ようと思って
往
(
い
)
くと、此の
老爺
(
じい
)
さんが此の子に意見しているのを
私
(
わし
)
が隣座敷で聞くと、此の子が
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こんな
老爺
(
じい
)
さんになって、なにも誕生祝いをすることも無いんですが、年来の習わしでほんの心ばかりのことを毎年やっているというわけです。
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
道で何処かの
老爺
(
じい
)
さんが
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
百姓「
玄堂
(
げんどう
)
さん/\、
此間
(
こねえだ
)
頼んで置いた根本の荒物屋の
老爺
(
じい
)
さまを連れて来たから、玄堂さん
案内
(
あんねえ
)
して上げておくんなせえ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その足ですぐに駈け込んだのが源七
老爺
(
じい
)
さんの家でした。老爺さんはその頃宇田川横町に住んでいて、近所の人ですからお互いに顔は知っていたのです。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
六十に近い七兵衛
老爺
(
じじい
)
が手に
唾
(
つばき
)
して奮然と
起
(
た
)
つを見ては、若い者共も黙っては
居
(
い
)
られぬ。皆口々に、「
老爺
(
じい
)
さんは危ねえ、
私等
(
わしら
)
が行く。」と、
遮
(
さえぎ
)
り
止
(
とど
)
めた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
種々
(
さま/″\
)
に意見を加えましたが、
一方
(
かた/\
)
が頑固な
老爺
(
じい
)
さんで肯きませんから、そんならば暇をやろうと万事
行届
(
ゆきとゞ
)
いた茂木佐平治さんだから多分の手当を
致
(
し
)
てくれ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
由「ナアニ
少
(
ちい
)
さい子が仇を討つてえと、何だか傍に居る
老爺
(
じい
)
さんが能く討つと云ったてえましたぜ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あくる日もその明くる日も毎日毎日根よく押掛けて来るので、源七
老爺
(
じい
)
さんも仕舞には根負けをしてしまって、それほど執心ならば兎もかくも彫ってみましょうという事になりました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
老爺
(
じい
)
や。
其
(
その
)
女を追っ
攘
(
ぱら
)
って
了
(
しま
)
え。」と、市郎は声を
暴
(
あら
)
くして云った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
男「おい
老爺
(
じい
)
さん」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
爺
漢検準1級
部首:⽗
13画
“老爺”で始まる語句
老爺様
老爺染