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ほしいまゝ
ふりがな文庫
“
縦
(
ほしいまゝ
)” の例文
旧字:
縱
之を以てレッシングは仏国の思想がライン河を
渉
(
わた
)
りて、
縦
(
ほしいまゝ
)
に其の郷国の思想を横領するを
悪
(
にく
)
みて、大に国民の夢を醒したり。
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
今だから云ふが僕は今迄だつて他所の場所だと思ふところだつて
関
(
かま
)
はず入つて行つて掠奪を
縦
(
ほしいまゝ
)
にしてゐたものさ。
村のストア派
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
併しこの男はその感情を抑へて
縦
(
ほしいまゝ
)
にしないやうに修養してゐるらしい。身分が流浪人だといふ事は直ぐ分かる。どこで分かるといふ事は言はれないが、一目で分かる。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
然れども道徳は、未だ人間をして
縦
(
ほしいまゝ
)
に製作せしむる程に低くならざるなり。宗教も亦た人間をして随意に料理せしむる程に卑しくならざるなり。
万物の声と詩人
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「然し汝よりも数等醜い妖魔共が到る処に王となつて、
縦
(
ほしいまゝ
)
な
快楽
(
けらく
)
に耽つてゐるではないか。」
闘戦勝仏
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
如何にして造化の秘蔵に進み、粋美を
縦
(
ほしいまゝ
)
にすることを得む、如何にして俗韻を脱し、高邁なる逸興を楽むを得む。請ふ、共に無言なる蕉翁に
聴
(
きか
)
む。
松島に於て芭蕉翁を読む
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
また或時は街にある叔父さんの家を襲つて物凄い掠奪を
縦
(
ほしいまゝ
)
にし、村に引きあげる時には、アルベラの戦ひから凱旋する大王アレキサンドルの心を心としてブセハラスの背中で
歌へる日まで
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
恋愛なるものはこの弱性を
療
(
れう
)
じ、この不満足を
愈
(
いや
)
さんが為に天より賜はりたる至大の恩恵にして、男女が互に劣情を
縦
(
ほしいまゝ
)
にする禽獣的慾情とは品異れり。
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
馬車を駆つては市場に通ひ、夜毎々々に従順な匈奴を集めては四斗樽の鏡を抜いて長夜の剣舞を
縦
(
ほしいまゝ
)
に振舞ふた。——なにしろ、それ喧嘩がはぢまつたからといふ報せで私達が駆けつければ
武者窓日記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
彼にも粋あり、此にも粋あり、彼にも
糠
(
かう
)
あり、此にも糠あり、
妄
(
みだり
)
に此の粋を以て、彼の粋を撃たんとするは誰ぞ。
縦
(
ほしいまゝ
)
に此の糠を以て、彼の糠を排せんとするは誰ぞ。
頑執妄排の弊
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
鳥を打ち、魚を釣り、薪をつくり、またある時は掠奪を
縦
(
ほしいまゝ
)
にし、米を得、酒を得て、健やかな命を保つて来た。空と森と小川と馬と、そして居酒屋の出来事と——それが僕等の世界であつた。
出発
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
然れども至人は之を第二の心宮に暴露して人の
縦
(
ほしいまゝ
)
に見るに任す、之を被ふにあらず、之を示すにあらず、其天真の
爛熳
(
らんまん
)
たるや、何人をも何者をも敵とせず味方とせず
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
宇内
(
うだい
)
を
睥睨
(
へいげい
)
し、日月を
叱咜
(
しつた
)
せし、古来の英雄何すれぞ墳墓の前に
弱兎
(
じやくと
)
の如くなる。誰か不朽といふ字を字書の中に置きて、
而
(
しか
)
して世の俗眼者流をして
縦
(
ほしいまゝ
)
に流用せしめたる。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
自然の力をして
縦
(
ほしいまゝ
)
に吾人の
脛脚
(
けいきやく
)
を控縛せしめよ、然れども吾人の頭部は大勇猛の
権
(
ちから
)
を以て、現象以外の
別
(
べつ
)
乾坤
(
けんこん
)
にまで
挺立
(
ていりふ
)
せしめて、其処に大自在の風雅と逍遙せしむべし。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
肉として吾人の失ひたる自由を、他の大自在の霊世界に向つて
縦
(
ほしいまゝ
)
に握らしむる事を得るなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
第二種のものは戯曲其他の部門に
隠
(
かくれ
)
て、第一種の者のみ諷刺の名を
縦
(
ほしいまゝ
)
にする者の如し。
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
我を
駐
(
とゞ
)
めて共に居らしめ、我を酔はしむるに濁酒あり、我を歌はしむるに
破琴
(
やぶれごと
)
あり、
縦
(
ほしいまゝ
)
に我を泣かしめ、縦に我を笑はしめ、
我
(
わが
)
素性
(
そせい
)
を
枉
(
ま
)
げしめず、我をして我疎狂を知るは独り彼のみ
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
私情をして大法の外に
縦
(
ほしいまゝ
)
なる運行をなさしむることあるなし。私情の喜は故なきの喜なり、私情の悲は故なきの悲なり、彼の大琴に相渉るところなければ、根なき
萍
(
うきくさ
)
の海に漂ふが如きのみ。
万物の声と詩人
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
是等のものは常に裸躰ならんことを慕ひて、
縦
(
ほしいまゝ
)
に繋禁を脱せんことを願ふ。
「桂川」(吊歌)を評して情死に及ぶ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
毒鬼を
仮来
(
かりきた
)
り、自由自在にネゲイシヨンの毒薬を働かせ、風雷の如き自然力を
縦
(
ほしいまゝ
)
にする鬼神を使役して、アルプス山に玄妙なる想像を構へたるもの、何ぞ理学の盛ならざりし時代の詩人に異ならむ
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
好色と恋愛と文学上に
幾許
(
いくばく
)
の懸隔あるを、好色は人類の最下等の獣性を
縦
(
ほしいまゝ
)
にしたるもの、恋愛は、人類の霊生の美妙を
発暢
(
はつちやう
)
すべき者なる事を、好色を写す、即ち人類を自堕落の獣界に追ふ者にして
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
反動をして反動の勢を
縦
(
ほしいまゝ
)
にせしむるは余も異存なし、唯だ反動を載せて、他の反動を起さしむるまで遠く走らんとするを見る時に、反動より反動に漂ふの運命を我が文学に与ふるを悲しまざる能はず。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
縦
(
ほしいまゝ
)
に我が心胸に
鑿入
(
さくにふ
)
して、わが「意志」の命を仰がず。
客居偶録
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
以て自ら
縦
(
ほしいまゝ
)
にするところなきを得ず。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
“縦”の意味
《名詞》
(たて)平面では上下に、立体では前後に貫く方向。
《形容動詞》
(ほしいまま)自分の思い通りに行動するさま。
(出典:Wiktionary)
“縦(縦と横)”の解説
縦(たて)は主に垂直や前後の方向を、横(よこ)は主に水平や左右の方向を指す語である。
縦と横は対義語である。
(出典:Wikipedia)
縦
常用漢字
小6
部首:⽷
16画
“縦”を含む語句
縦令
放縦
縦横
操縦
放縦不羈
淫縦
操縦席
放縦無頼
縦覧
一擒一縦
縦様
放縦不覊
縦横十文字
縦縞
縦横無尽
横縦
擒縦
縦皺
先縦
縦横無碍
...