結晶けっしょう)” の例文
塩製造当番が、また一つふえた、そして、だんだんやっているうちに、白い大きな結晶けっしょうした塩ができるようになった。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
(水ではないぞ、また曹達ソーダや何かの結晶けっしょうだぞ。いまのうちひどくよろこんでだまされたとき力をおとしちゃいかないぞ。)
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
さむい、さむ天気てんきなどは、あさからばんまで、その霜柱しもばしらけずに、ちょうど六ぽうせきのように、またしお結晶けっしょうしたように、うつくしくひかっていることがありました。
小さな草と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こう三つのものの結晶けっしょうが、この刀ではあるまいか。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しろいし破片はへんに、いろとまじって、ひときわしろ光沢こうたくはなち、しおなどの結晶けっしょうのようにえるのです。方解石ほうかいせきだけは、っても、っても、四角形かくけいれる特徴とくちょうゆうしていました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
緑簾石りょくれんせきもついている。そうじゃないこれはこけだ。〔いいですか。これは玻璃蛋白石です。温泉から沈澱したのです。晶洞しょうどうもあります。小さな石英の結晶けっしょうです。っておいでなさい。〕
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あさ太陽たいようのぼると、ははねこは、またかけました。しもしろに、ゆきのごとく、屋根やねりていました。その結晶けっしょうが、ちかちかと、をさしたのです。ねこは、ぶるいしました。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
然るに今日は既にビジテリアン同情派のかた結束けっそくを見、その光輝こうきある八面体の結晶けっしょうとも云うべきビジテリアン大祭を、この清澄せいちょうなるニュウファウンドランド島、九月の気圏きけんの底に於て析出せきしゅつした。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)