紅日こうじつ)” の例文
樹々きゞえだのこンのゆきも、ちら/\とゆびかげして、おほいなる紅日こうじつに、ゆきうすむらさきたもとく。なん憧憬あこがるゝひとぞ。うたをよみてえだ紅梅こうばいつぼみかんとするにあらず。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「焔ハ紅日こうじつニ隨ツテ遠ク、煙ハ暮雲ヲツテ飛ブ」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
宿の廊下づたいに、湯にく橋がかりの欄干らんかんずれに、その名樹めいじゅの柿が、梢を暗く、紅日こうじつに照っている。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふたゝふ、東向ひがしむかうに、そのくも日暮崎くれのさき御室みむろしようならんで半島はんたう真中まんなかところくもよりすべつてみづうみひた巌壁がんぺき一千ぢやういたゞきまつ紅日こうじつめ、夏霧なつぎりめてむらさきに、なか山肌やまはだつちあかく、みぎは密樹緑林みつじゆりよくりんかげこまやかに
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)