トップ
>
碧眼
>
へきがん
ふりがな文庫
“
碧眼
(
へきがん
)” の例文
隊長シュミット氏は一行中で最も偉大なる
体躯
(
たいく
)
の持ち主であって、こういう黒髪
黒髯
(
こくぜん
)
の人には珍しい
碧眼
(
へきがん
)
に深海の色をたたえていた。
北氷洋の氷の割れる音
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
けれども僕の最も深く最もひそかなる愛は、金髪
碧眼
(
へきがん
)
の、晴れやかに溌剌とした、幸福で愛想のいい凡庸な人々の所有なのです。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
宋江はよろこんで、さっそく彼をやって、城中から
皇甫端
(
こうほたん
)
を招きよせた。なるほど
碧眼
(
へきがん
)
紅毛の異人種だがりっぱな風采は見るから神医の感をうける。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気の軽い
碧眼
(
へきがん
)
夫婦の呼び声に、この
陋巷
(
ろうこう
)
のあちこちから腹の減った連中が駆けよって来た。屋台の前は、たちまち栄養不良患者の展覧会のようになった。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これは
都人
(
みやこびと
)
の顔の好みが、
唐土
(
もろこし
)
になずんでいる
証拠
(
しょうこ
)
ではないか? すると
人皇
(
にんおう
)
何代かの
後
(
のち
)
には、
碧眼
(
へきがん
)
の
胡人
(
えびす
)
の女の顔にも、うつつをぬかす時がないとは云われぬ。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
でケティは、もとサーカスの支那
驢馬
(
ろば
)
乗りでした。そして白痴なもんで
虐待
(
ぎゃくたい
)
をうけていた。すると、その金髪
碧眼
(
へきがん
)
に蒙古的な顔という、奇妙な対照が僕の目をひいたのです。
人外魔境:03 天母峰
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
黒眼を描かうか
碧眼
(
へきがん
)
を現はさうか
縮毛
(
ちぢれげ
)
か延髪か描き分けよう
術
(
すべ
)
もありませんでせうから。
秋の夜がたり
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
この
息
(
いき
)
もつかず流れている
大河
(
たいが
)
は、どのへんから出て来ているだろうかと思ったことがある。
維也納
(
ウインナ
)
生れの
碧眼
(
へきがん
)
の
処女
(
しょじょ
)
とふたりで旅をして、ふたりして此の大河の
流
(
ながれ
)
を見ていた時である。
ドナウ源流行
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その男というのは、燃えるような赤毛に、白子のような肌をした
碧眼
(
へきがん
)
の大男で、
紅毛人
(
こうもうじん
)
を見た事のない平次の眼には、地獄変相図から抜け出した、悪鬼のように恐ろしく映ったでしょう。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
碧眼
(
へきがん
)
の幼い少年の
蒼
(
あお
)
い顔が、憂わしげに彼を眺めている……。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
碧眼
(
へきがん
)
の詩人は案外落ち着いた声でそう言った。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
碧眼
(
へきがん
)
、
紫髯
(
しぜん
)
、胴長く、脚短く、しかも南人特有な
精悍
(
せいかん
)
の気満々たる孫権。槍をふるって、石弾の如く突いてきた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……すると、沖についた白い汽船は、どこの船だか国籍が分らなかったというのだネ。
碧眼
(
へきがん
)
の船長は何を君たちに頼んだのか、それを思い出してみなさい」
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
見ると、金髪の色といい
碧眼
(
へきがん
)
の澄みかたといい、一点、非のうちどころのないドイツ娘である。しかし、それ以外の部分はなんという変りかた⁈ 厚い唇をだらりと空けた
様
(
さま
)
。
人外魔境:03 天母峰
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
オルガンティノは翌日の
夕
(
ゆうべ
)
も、
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の庭を歩いていた。しかし彼の
碧眼
(
へきがん
)
には、どこか嬉しそうな色があった。それは今日
一日
(
いちにち
)
の内に、日本の侍が三四人、
奉教人
(
ほうきょうにん
)
の列にはいったからだった。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一敵国と見ている国の人間と出会ったように、じろと、
碧眼
(
へきがん
)
を、投げたのみで通ってゆく。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、このときはやく、かのときおそく、かの
碧眼
(
へきがん
)
の船員は、ぷっと煙草をはきだし
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「思いあがるを
止
(
や
)
めよ、
碧眼
(
へきがん
)
の小児、
紫髯
(
しぜん
)
の
鼠輩
(
そはい
)
。まず聞け、
真
(
まこと
)
の将のことばを」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足はみな裸足だが獣骨の
足環
(
あしわ
)
をはめ、半身の赤銅のような皮膚を
剥
(
む
)
き出しているが、腕くびに魚眼や貝殻の
腕環
(
うでわ
)
をなし、紅毛
碧眼
(
へきがん
)
の頭には、
白孔雀
(
しろくじゃく
)
や
極楽鳥
(
ごくらくちょう
)
の羽根を飾って、怪美なこと
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
碧眼
(
へきがん
)
の小児、
紫髯
(
しぜん
)
の
鼠賊
(
そぞく
)
、思いあがるを止めよ」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“碧眼”で始まる語句
碧眼玉
碧眼奴
碧眼紅髯
碧眼紫髯