眞心まごころ)” の例文
新字:真心
平生へいぜいよくつかへくれ、しきこととてさらし、此度このたびとりすゝめしも、おもうての眞心まごころなるを、なにとてあだにおもふべき。じつうれしくおもひしぞよ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
暫時しばしと止め種々さま/″\請勸ときすゝめしゆゑ澁々しぶ/\ふみ取上てふう押切おしきりよむしたがひ小夜衣は少しも知らぬ眞心まごころえ伯父長庵が惡事をなげき我身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
われこれに聲かけて、おん身の車には既に幾位いくたりの客人をか得給ひしと問へば、隅ごとに眞心まごころ一つなれば、四人は早く備りたり、されど二輪車の中はまだ一人のみなり。
たとへそれ、「まこと」は「こひ」の眞心まごころ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
わびしさは、べるものも、るものも、こゝにことわるまでもない、うす蒲團ふとんも、眞心まごころにはあたゝかく、ことちと便たよりにならうと、わざ佛間ぶつま佛壇ぶつだんまへに、まくらいてくれたのである。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)