用水ようすゐ)” の例文
おほきな藁草履わらざうりかためたやうに霜解しもどけどろがくつゝいて、それがぼた/\とあしはこびをさらにぶくしてる。せまつらなつてたて用水ようすゐほりがある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と、雁首がんくびで、ねこひたひをぴしりとつた、ぎやつ、とさけぶと、ねこはすかひにんで、や、其處そこ用水ようすゐべりの田圃たんぼんだ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なかにはまた、あのながれ邸内ていないいて、用水ようすゐぐるみにはいけにして、筑波つくばかげほこりとする、豪農がうのう大百姓おほびやくしやうなどがあるのです。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
翌日よくじつあめ晴間はれまうみく、箱根はこねのあなたに、砂道すなみち横切よこぎりて、用水ようすゐのちよろ/\とかにわたところあり。あめ嵩増かさまながれたるを、平家へいけ落人おちうどすさまじきたきあやまりけるなり。りてづく、また夜雨よさめたき
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)