“用水桶”の読み方と例文
読み方割合
ようすいおけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俥はじきに大通の真中へ出ていった。そこに石造の門口をとざした旅館があったり、大きな用水桶ようすいおけをひかえた銀行や、半鐘を備えつけた警察署があったりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
木之助はとらの尾でもふむように、びくびくしながら玄関の方へ近づいてゆくと、足はまた自然にとまってしまった。大きな赤犬が、入口の用水桶ようすいおけの下にうずくまってこちらを見ているのだった。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
お庄は店頭みせさきの軒下に据えつけられた高い用水桶ようすいおけの片蔭から中をのぞいて、その前をったり来たりしていたが、するうち下足番の若い衆に頼んで、お鳥に外まで出てもらった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)