無二むに)” の例文
わたくしこの大佐たいさとはかつ面會めんくわいしたこといが、かね櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさとは無二むに親友しんいうで、また、わたくしためには終世しゆうせいわするゝこと出來できない
流石さすが明治めいぢおん作者さくしや様方さまがたつうつうだけありて俗物ぞくぶつ済度さいどはやくも無二むに本願ほんぐわんとなし俗物ぞくぶつ調子てうし合点がてんして幇間たいこたゝきておひげちりはらふの工風くふう大悟たいご
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
それ以前いぜんから、安藤あんどう某学校ぼうがっこう学費がくひまで補助ほじょしてもらい、無二むに親友しんゆうとして交際こうさいしておったのだが、安藤がいまの会社へはいって二年めの春、母なる人がなくなり
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
武田家たけだけ無二むにの什宝——御旗楯無。それこそは、伊那丸にとってなによりなものである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠い先祖から南朝方に無二むにのお味方を申し、南朝びいきの伝統を受けいで来た吉野の住民が、南朝と云えばこの自天王までを数え、「五十有余年ではありません、百年以上もつづいたのです」
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ジャンダーク」を理想の人とし露西亜ロシアの虚無党をば無二むにの味方と心得たる頃なれば、両人ふたり交情あいだの如何に他所目よそめには見ゆるとも、妾のあずかり知らざる所、た、知らんとも思わざりし所なりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
はずや、それがし無二むにまじはりむす
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
呂宋兵衛は富士の人穴ひとあなへきてから、たちまち小角しょうかく無二むにの者となった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おこなはせて、無二むに
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)