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焔
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ほむら
ふりがな文庫
“
焔
(
ほむら
)” の例文
丈八郎は、憎悪そのものの眸を、
俯
(
う
)
つ
伏
(
ぶ
)
している姉へも投げた。が、すぐそれが、一角の眼を見ると、よけいに、
焔
(
ほむら
)
となって
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新吉は此の金を持って遊び歩いて
家
(
うち
)
へ帰らぬから、自分は
却
(
かえ
)
って面白いが、只
憫然
(
かわいそう
)
なのは女房お累、次第/\に胸の
焔
(
ほむら
)
は
沸
(
に
)
え返る様になります。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
命かけての愛だの信実だのと云つた蜜の
如
(
やう
)
ないつかの抱擁も千言万句の誓ひも
歓語
(
さゞめき
)
も、但しは狂ひに狂つた欲念の
焔
(
ほむら
)
も
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この冷たさと容易に人に打ち明けない殼の中には、案外烈々と燃えさかる
嫉妬
(
しつと
)
の
焔
(
ほむら
)
があるやも知れず、平次も妙に身内の引締まる念ひで相對しました。
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その秘密をまた知って、おかんは嫉妬の
焔
(
ほむら
)
をいよいよ
燃
(
も
)
した。世間しらずのお朝は、いたずらの罰が忽ち下されたのに驚いて、自分のからだの始末を泣いて重吉に相談した。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
息気
(
いき
)
せわしく吐く男のため息は
霰
(
あられ
)
のように葉子の顔を打った。火と燃え上がらんばかりに男のからだからは desire の
焔
(
ほむら
)
がぐんぐん葉子の血脈にまで広がって行った。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
それは、横蔵、慈悲太郎の
瞳
(
ひとみ
)
の底で、ひそかに燃え上がった、情けの
焔
(
ほむら
)
を見て取ったからであろうか、二人の争いを未然に防ごうとして、紅琴が、世にも賢しい処置に出たのであった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
けれども私の本心は、こいつにそんなにまで柳沢と見変えられたかと思えば、未練というよりも
面
(
つら
)
が憎くなって、どうしてこの
恋仇
(
あだ
)
をしてやろうかと胸は無念の
焔
(
ほむら
)
に燃えていた。するとお宮は
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
はしたなきもつれに
脆
(
もろ
)
くも水と冷ゆるは世の習ひなり、鷺を白しと云ひ、鴉を黒しといふも唯だ目にみゆるところを言ふのみ、人の心を尋ぬれば、よしなきことを諍ひては
瞋恚
(
しんい
)
の
焔
(
ほむら
)
を懐にもやし
哀詞序
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
彼の大きな姿が
塞
(
ふさ
)
がるように
厨子壇
(
ずしだん
)
の前に坐ったとき、障壁の
紅蓮
(
ぐれん
)
白蓮
(
びゃくれん
)
も、ゆらめく仏灯も、
悉
(
ことごと
)
く
瞋恚
(
しんい
)
の
焔
(
ほむら
)
のごとく、その影を赤々と
隈
(
くま
)
どった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家
(
うち
)
に居ると継母に捻られるから、お
母
(
っか
)
さんよりはお師匠さんの方が数が少いと思って近く来ると、
猶
(
なお
)
師匠は修羅を
燃
(
もや
)
して、わく/\
悋気
(
りんき
)
の
焔
(
ほむら
)
は絶える間は無く、益々逆上して
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と、彼は事の重大と、
瞋怒
(
しんど
)
の
焔
(
ほむら
)
にわなないて、烈しい抗議の一書を、秀吉へぶつけたのであった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鍬
(
くわ
)
の下から火が燃え、
担
(
かつ
)
ぐ石材は熱鉄の
焔
(
ほむら
)
を立て、
汲
(
く
)
む水も湯のような
焦熱
(
しょうねつ
)
の刑場だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
焔
漢検準1級
部首:⽕
11画
“焔”を含む語句
火焔
炎焔
焔々
焔硝
余焔
焔先
火焔車
焔硝樽
白焔
焔炎
紅焔
大火焔
気焔
大気焔
光焔
氣焔
怪気焔
酸水素焔
焔魔樣
大氣焔
...