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火皿
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ひざら
ふりがな文庫
“
火皿
(
ひざら
)” の例文
杏色
(
あんずいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへの愛はのろい火で温まる杏色の
薔薇
(
ばら
)
の花よ、菓子をとろとろ煮てゐる
火皿
(
ひざら
)
がおまへの心だ、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
火皿
(
ひざら
)
は油煙をふりみだし、炉の向ふにはここの主人が、大黒柱を二きれみじかく切って投げたといふふうにどっしりがたりと
膝
(
ひざ
)
をそろへて座ってゐる。
家長制度
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
白く輝く
鸚鵡
(
おうむ
)
の
釵
(
かんざし
)
——
何某
(
なにがし
)
の伯爵が心を
籠
(
こ
)
めた
贈
(
おくり
)
ものとて、人は知つて、(伯爵)と
称
(
とな
)
ふる其の釵を抜いて、
脚
(
あし
)
を返して、
喫掛
(
のみか
)
けた
火皿
(
ひざら
)
の
脂
(
やに
)
を
浚
(
さら
)
つた。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
はどうしても
斷念
(
だんねん
)
せねばならぬ
心
(
こゝろ
)
の
苦
(
くる
)
しみを
紛
(
まぎ
)
らす
爲
(
ため
)
に
蕗
(
ふき
)
の
葉
(
は
)
や
桑
(
くは
)
の
葉
(
は
)
を
干
(
ほ
)
して
煙管
(
きせる
)
の
火皿
(
ひざら
)
につめて
見
(
み
)
たが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その途端に
燈火
(
ともしび
)
はふっと消えて跡へは闇が行きわたり、燃えさした跡の
火皿
(
ひざら
)
がしばらくは一人で
晃々
(
きらきら
)
。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
▼ もっと見る
竜之助は短刀を奪い取って身を起すと共に、はったと
蹴倒
(
けたお
)
すと、お浜は向うの
行燈
(
あんどん
)
に
仰向
(
あおむ
)
けに倒れかかって、行燈が倒れると
火皿
(
ひざら
)
は
破
(
こわ
)
れてメラメラと紙に燃え移ります。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
チチ、チチ、と
山千禽
(
やまちどり
)
のさえずりが聞こえるから、もう夜は明けているのだろうが、世阿弥の側には、魚油を
点
(
とも
)
した
火皿
(
ひざら
)
の燈心が、今のかれの命のように、心細く燃え残っている。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
名刺一たび入り、書生二たび
出
(
い
)
でて、山木は応接間に導かれつ。テーブルの上には
清韓
(
しんかん
)
の地図一葉広げられたるが、まだ清めもやらぬ
火皿
(
ひざら
)
のマッチ
巻莨
(
シガー
)
のからとともに、先座の話をほぼ
想
(
おも
)
わしむ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
“火皿”の解説
火皿(ひさら、英語:Flash pan)とは、火縄銃(マッチロックガン)や燧石式銃(フリントロック式)の銃身薬室側面に張り出したように付けられた点火用の口薬を盛るための皿状の部位のこと。
火皿に盛った口薬(火薬)に間違って火種が接触しないように火皿を覆う蓋「火蓋(ひぶた)」があり、発射準備をおこなうことを慣用句で「火蓋を切る」という。
(出典:Wikipedia)
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
皿
常用漢字
小3
部首:⽫
5画
“火”で始まる語句
火
火鉢
火傷
火照
火箸
火影
火焔
火桶
火光
火酒