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瀧君
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たきくん
久保田さんは、
大きな
眼鏡を
掛けてゐる。——
所がさうでない。
來たのは
瀧君であつた。
評判のあの
目が
光つたと
見える。これも
讚稱にあたひする。
同町内の
瀧君に、ひと
俵贈らうかな、……
水上さんは
大な
目をして、
二七の
縁日に
金魚藻を
探して
行く。……
〆て
金七十圓——もしそれ
私をして
幹事たらしめば、
忽ちにお
盆の
軍用に
充てようものを、
軍規些少も
敵にかすめざる
瀧君なれば、
志はうけた——
或は
新築の
祝、
或は
踊一手の
祝儀
これ
第一は
瀧君のために、
説くこと、こゝに
及ぶ
所以である。