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湯船
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ゆぶね
ふりがな文庫
“
湯船
(
ゆぶね
)” の例文
などと、
猫撫聲
(
ねこなでごゑ
)
で、
仰向
(
あふむ
)
けにした
小兒
(
こども
)
の
括頤
(
くゝりあご
)
へ、
動
(
いぶ
)
りをくれて
搖上
(
ゆりあ
)
げながら、
湯船
(
ゆぶね
)
の
前
(
まへ
)
へ、ト
腰
(
こし
)
を
拔
(
ぬ
)
いた
體
(
てい
)
に、べつたりと
踞
(
しやが
)
んだものなり。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし、そこは、もはや
雪
(
ゆき
)
が
深
(
ふか
)
くて、
湯船
(
ゆぶね
)
は、
半分
(
はんぶん
)
ほども、
雪
(
ゆき
)
に
埋
(
う
)
まっていました。それですから、あたりには
彼
(
かれ
)
らが
食
(
た
)
べるような
餌
(
え
)
が、いくら
探
(
さが
)
しても、
落
(
お
)
ちているわけはなかったのでした。
温泉へ出かけたすずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
言
(
い
)
つたが、うつかり
手
(
て
)
も
入
(
い
)
れられない。で、ちよこんと
湯船
(
ゆぶね
)
の
縁
(
へり
)
へ
上
(
あが
)
つて、
蝸牛
(
まい/\つぶり
)
のやうに
這𢌞
(
はひまは
)
る。が、
飛鳥川
(
あすかがは
)
の
淵
(
ふち
)
は
瀬
(
せ
)
と
成
(
な
)
つても、
此
(
こ
)
の
湯
(
ゆ
)
はなか/\ぬるくは
成
(
な
)
らぬ。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すずめは、そこへおりると、そこだけは
暖
(
あたた
)
かなので
雪
(
ゆき
)
もなかった。そして、
人間
(
にんげん
)
が、ついこのごろまで
入浴
(
にゅうよく
)
をしていたものとみえて、
湯船
(
ゆぶね
)
のまわりには、いろいろの
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
などが
落
(
お
)
ちていました。
温泉へ出かけたすずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
殺氣
(
さつき
)
朦々
(
もう/\
)
として
天
(
てん
)
を
蔽
(
おほ
)
へば、
湯船
(
ゆぶね
)
は
瞬
(
またゝ
)
く
間
(
ま
)
に、
湯玉
(
ゆだま
)
を
飛
(
と
)
ばして、
揚場
(
あがりば
)
まで
響渡
(
ひゞきわた
)
る。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
と何か言いたそうに、膝で、もじもじして、平吉の
額
(
ひたい
)
をぬすみ見る女房の
様
(
さま
)
は、
湯船
(
ゆぶね
)
へ横飛びにざぶんと入る、あの見世物の
婦
(
おんな
)
らしい。これも平吉に買われたために、姿まで変ったのであろう。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
湯
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
“湯”で始まる語句
湯
湯槽
湯気
湯呑
湯女
湯屋
湯治
湯殿
湯沸
湯浴