温室おんしつ)” の例文
おまえさんのような田舎者いなかものには、ここは、ちとぜいたくすぎるようなところなんだよ。ここは、人間にんげんかねをかけてつくっている温室おんしつなのさ。
みつばちのきた日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これでも小屋だってのか? 中庭なかにわや、庭園ていえんや、温室おんしつや、大理石だいりせきぞうが見えないのか? これでも小屋だってのか? 犬小屋ってもののまわりには、ブナの木立こだちや、ハシバミのやぶや
いや さうではありません 地きうにだつて温室おんしつといふのがあるですよ
おかるは温室おんしつのなかの孤児みなしごのやうに
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
往来おうらいると、かぜきすさんでいました。それは、温室おんしつなかで、さむさをらずにいたはなにはたえられないことでした。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あのようにおうへいにいっていたらんは、ある貴婦人きふじんみせのものにつれられて、この温室おんしつはいってきたときに
みつばちのきた日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「かわいらしい、雪割草ゆきわりそうはなだな。これをとどけてもらおうか。」といいました。そして、雪割草ゆきわりそうは、その午後ごご、この温室おんしつなかから、そとされたのです。
みつばちのきた日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひろい、往来おうらいかどのところに花屋はなやがありました。温室おんしつなかには、外国がいこく草花くさばなが、みだれていました。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし草花屋くさばなや温室おんしつには、スチームがとおっているので、ちょうど五、六がつごろのあめのかかったように、しずくがぽたりぽたりとガラスおもてつたわって、したたっているのでした。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)