かは)” の例文
されど我をして目をさましゐて永遠とこしへに見しめまたうるはしき願ひにかはかしむる聖なる愛のいよ/\げられんため 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
慾張抜よくばりぬいて大急おほいそぎであるいたからのどかはいて為様しやうがあるまい早速さつそくちやのまうとおもふたが、まだいてらぬといふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その時の平岡は、熱病にかゝつた人間にんげんの如く行為アクシヨンかはいてゐた。彼は行為アクシヨンの結果として、富を冀つてゐたか、もしくは名誉、もしくは権勢を冀つてゐたか。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
恐ろしく喉がかはいて居るので、頭を擡げて見𢌞したが、下に持つて行つたと見えて鐵瓶が無い。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
長い間乾き切つてきつきさうになつてゐた私の胸も、その響きに合せて高まり、活々とした血が漲り——私の肉體は更生かうせいを望み——私の魂は清らかな歡喜にかはいてゐるのでした。
それから二た刻あまり、八五郎はようやく目が覺めました。滅法喉がかはきます。
女は青い葉のあひだから、果物くだものを取りした。かはいた人は、ほとばしる甘い露を、したゝかに飲んだ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
岩魚いはなだいを三びきつて咽喉のどかはかすやうな尋常じんじやうなのではない。和井内わゐない自慢じまんのカバチエツポのふとつたところを、二尾ふたつ塩焼しほやきでぺろりとたひらげて、あとをお茶漬ちやづけさら/\で小楊子こようじ使つかふ。……
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)