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水々
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みづ/\
が、いぢけたのでも
縮んだのでもない。
吹込む
煙に
惱亂した
風情ながら、
何處か
水々として
伸びやかに
見える。
襟許、
肩附、
褄はづれも
尋常で、
見好げに
釣合ふ。
那の
流れは
其麼病にでもよく
利きます、
私が
苦労をいたしまして
骨と
皮ばかりに
体が
朽れましても
半日彼処につかつて
居りますと、
水々しくなるのでございますよ。
眼鋭く
鼻の
上の
皺に
惡相を
刻み
齒の
揃へる
水々しきが、
小紋縮緬のりうたる
着附、
金時計をさげて、
片手に
裳をつまみ
上げ、さすがに
茶澁の
出た
脛に、
淺葱縮緬を
搦ませながら、
片手に
銀の
鎖を
握り