あり)” の例文
かの女の子の五つばかりなる、本院の西のたいに遊びありきけるを呼び寄せて、母に見せ奉れとてかひなに書きつけ侍りける。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
やをらでゝ、ころものくびありき、われするしらみどもかな
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
のぎの穗に小寥ひるがほをみなへし遊びありかな月夜よろしみ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここ越えてゆかば長崎の西山にしやまにいづるらむとてしばらあり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
堤の上をとみかうみわづらひありく。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
すずろありきもしたまひぬ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
博奕してこそありくなれ
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のぎの穂に小寥ひるがほをみなへし遊びありかな月夜よろしみ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すずろありきもし給ひぬ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
何か花にほふ雨間あままのくれを妻としありくゆゑはしらずも
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
何か花にほふ雨間あままのくれを妻としありくゆゑはしらずも
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春夕しゆんせきはひとりありく馬をりておのづから帰る道知るらしき
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
木檞もつこくの葉洩れ日見つつ思ふなり濡石に出でてありく蟻ゐず
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
木槲もつこくの葉洩れ日見つつ思ふなり濡石に出でてありく蟻ゐず
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
我が眼には月の色なる日の照りを雀ありけり庭片寄りに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
大鴉なぎさありけどうららなる波はそこまでとどかざりけり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
熊出でて昼立ちありく森のまち敦化の雪も春はけなむ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鈎爪かぎつめの脊骨曲りが鈎形かぎなりありきはらばひ石の下掘る
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)