やみ)” の例文
わだの源と天の戸閉塞とぢふさがりて天よりの雨やみぬ。ここに於て水次第に地より退き百五十日を経てのち水減り、方舟はこぶねは七月に至り其月の十七日にアララテの山に止りぬ。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
雪吹ふゞき其日のくれやみ次日つぎのひ晴天せいてんなりければ近村きんそんの者四五人此所をとほりかゝりしに、かの死骸しがい雪吹ふゞきうづめられて見えざれども赤子あかご啼声なくこゑを雪の中にきゝければ
聞て幸ひぎんの松葉のちひさ耳掻みゝかきほししと有る故直段ねだんも安くうり彼是かれこれする中に雨もやみしかば暇乞いとまごひしてかへりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
遂にその誘惑に従はんと決心するまでに至りし頃、うちより人の騒ぎいでたるに驚かされてやみぬ。
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
やうやく雪のやみたる時、雪をほりわづかに小まどをひらきあかりをひく時は、光明くわうみやう赫奕かくやくたる仏の国に生たるこゝち也。此外雪こもりの艱難かんなんさま/″\あれど、くだ/\しければしるさず。