トップ
>
欄
>
おばしま
ふりがな文庫
“
欄
(
おばしま
)” の例文
この芝生の上にやはり乳白な大理石の
甃
(
いしだたみ
)
を敷いて、両側に
欄
(
おばしま
)
を立てた美しい遊歩道がうねうねと曲折しながら続いているのです。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
上野は
東叡山
(
とうえいざん
)
三十六坊といわれている。ふかい木々と夜霧のあなたに、中堂の廻廊の灯や、
文珠堂
(
もんじゅどう
)
の
欄
(
おばしま
)
などがかすかに見える。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姫は面をさと赤めて一足退きしが、忽ち心を取直したる如く、又手を
欄
(
おばしま
)
にかけて、聲高く。我にも汝にも過分なる事ぞ。かりそめにな思ひそといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
春院
(
しゅんいん
)
いたずらに
更
(
ふ
)
けて、
花影
(
かえい
)
欄
(
おばしま
)
にたけなわなるを、
遅日
(
ちじつ
)
早く尽きんとする
風情
(
ふぜい
)
と見て、
琴
(
こと
)
を
抱
(
いだ
)
いて
恨
(
うら
)
み顔なるは、嫁ぎ
後
(
おく
)
れたる世の常の女の
習
(
ならい
)
なるに、
麈尾
(
ほっす
)
に払う折々の
空音
(
そらね
)
に
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
部屋部屋を逃げまどい、廊を
奔
(
はし
)
り
欄
(
おばしま
)
を越えなどする彼女らの狂わしい
裳
(
もすそ
)
や
袂
(
たもと
)
は、その
暗澹
(
あんたん
)
を切って飛ぶ白い火、
紅
(
くれない
)
の火、紫の火にも見える。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
すべてのさま唯だ一つの
四阿屋
(
あづまや
)
めきたり。細き
欄
(
おばしま
)
をば、こゝに野生したる
蘆薈
(
ろくわい
)
の、太く堅き葉にて援けたり。これ自然の
籬
(
まがき
)
なり。
看卸
(
みおろ
)
せば深き湖の面いと靜なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
欄
(
おばしま
)
の下をのぞくと、水は青く、
橋杭
(
はしぐい
)
の根をめぐって、白い水鳥が、花を
撒
(
ま
)
いたように游んでいた。このあたりの
汀
(
なぎさ
)
にたくさんいる
鳰
(
にお
)
であった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
欄
(
おばしま
)
に
凭
(
よ
)
りて遠く望めば、カムパニアの野のかなたなる山々の雄々しき姿をなしたる、固より
厭
(
あ
)
かぬ眺なれど、鋪石に觸るゝ劍の音あるごとに、我は其人にはあらずやとワチカアノの庭を見おろしたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
橋上すでに渦巻いて、血は
欄
(
おばしま
)
にとび、
濠
(
ほり
)
にながれ、
死屍
(
しし
)
を踏む者、また死屍へ重なり合うとき、明智方は彼方の
濠
(
ほり
)
ばたから、銃をそろえて城兵を
狙撃
(
そげき
)
し出した。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それで、余の船出も心安い。何かのことども、江戸表へ立ち廻った節
上屋敷
(
かみやしき
)
の重役どもに、計ろうて貰うがよい」と座を立って、三位卿と共に
船楼
(
ふなろう
)
の
欄
(
おばしま
)
に立つ阿波守。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廻廊に
欄
(
おばしま
)
のあるのがそうだし、
銅燈籠
(
かなどうろう
)
の
懸
(
か
)
け
連
(
つら
)
ねてあるのも優美に過ぎる。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あのふたりが五条の
欄
(
おばしま
)
で人目もなく並んでいたのを遠くから見たせつな、お通は、足がふるえてしまった。あやうく、
眩
(
めま
)
いがして倒れかけたので、牛車の蔭にかがみ込んでしまったのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの大橋の
欄
(
おばしま
)
で、武蔵の胸に顔を押しあてて泣いていたきれいな娘。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
欄
常用漢字
中学
部首:⽊
20画
“欄”を含む語句
欄干
勾欄
欄干越
鉄欄
欄間
欄間彫
欄外
橋欄
手欄
高欄
紫羅欄花
欄杆
朱欄干
朱欄
木欄
曲欄
欄干橋
文芸欄
欄干下
粉壁朱欄
...