“曲欄”の読み方と例文
読み方割合
きょくらん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人は鳳儀亭の曲欄きょくらんにかがみこんで、泣きぬれていた。貂蝉は、ふと、董卓の姿が彼方に見えたので
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曲欄きょくらんを幾まがりか折れて往くとまた別の庭があって、枝を垂れた数十株の楊柳が高だかと朱ののきを撫でていた。そして名も知れぬ山鳥が一鳴きすると花片はなびらが一斉に散った。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あいを含む黒塗に、金を惜まぬ高蒔絵たかまきえは堂を描き、楼を描き、廻廊を描き、曲欄きょくらんを描き、円塔方柱えんとうほうちゅうの数々を描き尽して、なお余りあるを是非に用い切らんために、描ける上を往きつ戻りつする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)