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板片
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いたきれ
ふりがな文庫
“
板片
(
いたきれ
)” の例文
古い
板片
(
いたきれ
)
を繩で縛つて、その繩の端を長くして格子から戸の隙間に入れ、部屋の中で引つ張つてガタガタ、ゴソゴソ言はせたのだ。
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんの
鍵
(
かぎ
)
は
金網
(
かなあみ
)
の
張
(
は
)
つてある
重
(
おも
)
い
藏
(
くら
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
ける
鍵
(
かぎ
)
で、
紐
(
ひも
)
と
板片
(
いたきれ
)
をつけた
鍵
(
かぎ
)
で、いろ/\な
箱
(
はこ
)
に
入
(
はひ
)
つた
器物
(
うつは
)
を
藏
(
くら
)
から
取出
(
とりだ
)
す
鍵
(
かぎ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一方王に
衝
(
つ
)
き
堕
(
おと
)
された
金大用
(
きんたいよう
)
は、
板片
(
いたきれ
)
にすがりつくことができたので死ななかった。そして流れて
淮
(
わい
)
へいったところで、小舟に救いあげられた。
庚娘
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
お
釜帽
(
かまぼう
)
を冠った機械油だらけの職工が、
板片
(
いたきれ
)
の上に小石を二つ三つ並べて、腰元らしく尻を振り振り登場すると皆、一時にドッと笑い出したりした。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
手には丸太や
板片
(
いたきれ
)
を持っているものもあれば、同心や牢番を叩き伏せてその
得物
(
えもの
)
を奪うて働くのもあります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
こう
截
(
き
)
れああ
穿
(
ほ
)
れ、ここをどうしてどうやってそこにこれだけ
勾配
(
こうばい
)
もたせよ、
孕
(
はら
)
みが何寸
凹
(
くぼ
)
みが何分と口でも知らせ
墨縄
(
なわ
)
でも云わせ、面倒なるは
板片
(
いたきれ
)
に矩尺の仕様を書いても示し
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其処
(
そこ
)
は塗料の腐る匂いで息が詰りそうである——然し伊藤次郎は、懐中電灯を差しつけながら、散らばっている船具や
板片
(
いたきれ
)
を
掻退
(
かきの
)
け
蹴飛
(
けと
)
ばし、塵も見逃すまじと船底の鉄板を
検
(
しら
)
べ廻った。
流血船西へ行く
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
従って、後部のハッチデッキを浪でおおう時は、われわれは、本船と切り離された
板片
(
いたきれ
)
の上にすがっているような心細さを感じた。凍寒はナイフのように鋭く痛くわれらの薄着の
肌
(
はだ
)
をついた。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
浮いて来る
埃塵
(
ごみ
)
の
塊
(
かたまり
)
や、
西瓜
(
すいか
)
の皮や、腐った猫の
死骸
(
しがい
)
や、
板片
(
いたきれ
)
と同じように、気に掛るこの世の中の
些細
(
ささい
)
な事は皆ずんずん流れて行くように思われた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“板”で始まる語句
板
板塀
板葺
板敷
板木
板囲
板子
板橋
板庇
板戸