“いたきれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
板片90.0%
板切10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一方王におとされた金大用きんたいようは、板片いたきれにすがりつくことができたので死ななかった。そして流れてわいへいったところで、小舟に救いあげられた。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
釜帽かまぼうを冠った機械油だらけの職工が、板片いたきれの上に小石を二つ三つ並べて、腰元らしく尻を振り振り登場すると皆、一時にドッと笑い出したりした。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼は、最後まで、船にふみとどまっていたため、雷洋丸が、ともを真上にして沈没したのちは、海中へなげだされ、暗い海を、板切いたきれにすがって漂流をはじめた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼の右足は、膝のうえから下を、板切いたきれではさみ、そのうえに、繃帯ほうたいでぐるぐるとまいていて、いかにも痛そうであったが、ふしぎにも、このとき、彼は、室内をすたすたと歩きだしたのであった。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)