トップ
>
朝餐
>
あさげ
ふりがな文庫
“
朝餐
(
あさげ
)” の例文
浅間の
山麓
(
さんろく
)
にあるこの町々は
眠
(
ねむり
)
から覚めた時だ。
朝餐
(
あさげ
)
の煙は何となく湿った空気の中に登りつつある。鶏の声も
遠近
(
おちこち
)
に聞える。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
やう/\女神エジエリアの洞にたどり着きて、われ等は
朝餐
(
あさげ
)
を
食
(
たう
)
べ、岩間より湧き出づる泉の水に、葡萄酒混ぜて飮みき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
男世帯なる篠田家に在りての玄関番たり、大宰相たり、
大膳太夫
(
だいぜんのたいふ
)
たる書生の
大和
(
おほわ
)
一郎が、白の前垂を
胸高
(
むなだか
)
に結びて、今しも
朝餐
(
あさげ
)
の後始末なるに
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ようやく東が白んだばかりで、低い藁屋から寒そうな
朝餐
(
あさげ
)
の煙が二すじ三すじ。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
卯平
(
うへい
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
庭
(
には
)
の
霜
(
しも
)
に
下駄
(
げた
)
の
趾
(
あと
)
をつけて
出
(
で
)
てから
間
(
ま
)
もなく
勘次
(
かんじ
)
は
褥
(
しとね
)
を
蹴
(
け
)
つて
竈
(
かまど
)
に
火
(
ひ
)
を
點
(
つけ
)
た。それからおつぎが
朝餐
(
あさげ
)
の
膳
(
ぜん
)
を
据
(
す
)
ゑる
迄
(
まで
)
には
勘次
(
かんじ
)
はきりゝと
仕事衣
(
しごとぎ
)
に
換
(
かへ
)
て
寒
(
さむ
)
さに
少
(
すこ
)
し
顫
(
ふる
)
へて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
静子は
朝餐
(
あさげ
)
の後を、母から兄の単衣の縫直しを
呍咐
(
いひつか
)
つて、一人其室に坐つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
雪は觀て早き
朝餐
(
あさげ
)
をたおたおと木ぶりをかしく搖り
出
(
で
)
しづけさ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何といふ單純な
朝餐
(
あさげ
)
であらう
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
雨は夜のうちに止んで、濕つた家々の屋根から
朝餐
(
あさげ
)
の煙の白く登るのが見えた。音一つしなかつた。眠るやうに靜かだ。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
我等はこゝに
朝餐
(
あさげ
)
して、公子夫婦は
午時
(
ひるどき
)
まで休憩し、それより
驢
(
うさぎうま
)
を
倩
(
やと
)
ひてチベリウス帝の
別墅
(
べつしよ
)
の
址
(
あと
)
を訪はんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
雪は観て早き
朝餐
(
あさげ
)
をたおたおと木ぶりをかしく揺り
出
(
で
)
しづけさ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
板葺
(
いたぶき
)
の屋根、
軒廂
(
のきびさし
)
、すべて目に入るかぎりのものは白く埋れて了つて、家と家との間からは青々とした
朝餐
(
あさげ
)
の煙が静かに立登つた。小学校の
建築物
(
たてもの
)
も、今、日をうけた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
瑞巌寺の
朝餐
(
あさげ
)
の魚板響くなり顔洗ひつつよしと思ひぬ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
茶の煙
幽
(
かす
)
かなれども
現身
(
うつしみ
)
の
朝餐
(
あさげ
)
の
料
(
しろ
)
に立てし茶の煙
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“朝餐”の意味
《名詞》
朝の食事。朝飯。朝餉。
(出典:Wiktionary)
朝
常用漢字
小2
部首:⽉
12画
餐
漢検準1級
部首:⾷
16画
“朝餐”で始まる語句
朝餐後