書記かきしる)” の例文
以上で巻十二の選は終ったが、従属的にして味ってもいいものが若干首あるからついで書記かきしるしておこう。たいして優れた歌ではない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「婦人の為にせる福音書」と称えらるる路加伝が来世と其救拯すくい審判さばきとに就て書記かきしるす事は一々茲に掲ぐることは出来ない
書記かきしるし南町奉行所へ立歸り大岡殿へ申立ければ早速さつそく召捕めしとるべき旨申渡されしにより同心二人すぐに橋本町へ立越たちこえところ彦兵衞は他行たぎやういたし淺草へ罷越まかりこしたる由ゆゑ途中に待受しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うすると私の書記かきしるしておいたものは外交の機密にかかる恐ろしいものである、しこれが分りでもすればぐにろう打込ぶちこまれて首をられて仕舞しまうにちがいないとおもったから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
久「おかしい事があるものか、覚えさせるのだから、一つ虫尽しにて書記かきしるまいらせそろよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此老人はつかれてより顔をしかむる間も無きうちに事切ことぎれりしなりと、し真に顔を蹙むる間も無かりしとせば如何いかにして MONISモニシ の五文字をそのゆか書記かきしるせしぞ、しぬるほどの傷を負い
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
書記かきしるし町奉行大岡越前守殿へ訴へ出しかば則ち駿河屋三郎兵衞加賀屋四郎右衞門ならび茂兵衞もへゑ町内の者共一同呼出され吟味ぎんみ有しに皆々四郎右衞門が申せし通りを申立ければ大岡殿おほをかどの三郎兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宅に帰ては薄葉うすよう罫紙けいし書記かきしるしておいた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
早「ひとつ虫尽しにて書記かきしるし※」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
とゞろかし末世まつせ奉行のかゞみと成たる明斷めいだんちなみて忠相ぬしが履歴りれきとその勳功くんこう大略あらましとを豫て傳へきゝ異説いせつ天一ばうさへ書記かきしるして看客かんかくらんそなふるなれば看客此一回を熟讀じゆくどくして忠相ぬしが人と成りはらにを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)