徹宵よつぴて)” の例文
つち徹宵よつぴてさういふ作用さよういとなんだばかりに、拂曉あけがたそらからよこにさうしてなゝめしもかして、西風にしかぜたゞちにそれをかわかして残酷ざんこく表土へうどほこり空中くうちうくる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
にはとり納豆なつとうくつたつてなねえうちみづませりやなんともねんだもの、みづませりやそんなにさわぐにやあたらねえ」卯平うへいはいつて自分じぶんでもまたませた。與吉よきち枕元まくらもとに三にん徹宵よつぴてねむらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
手足てあしのばせばくゝりつけたかやしのれてかさ/\とほどせま室内しつないを、さむさはたばねた松葉まつばさきでつゝくやうに徹宵よつぴてその隙間すきまねらつてまなかつた。勘次かんじえてしまつた。かれきたまくらしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)