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御全快
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ごぜんくわい
何家などは
何うでも
宜ござります、
伯父樣御全快にならば
表店に
出るも
譯なき
事なれば、一
日も
早く
快く
成つて
下され、
伯父樣に
何ぞと
存じたれど、
道は
遠し
心は
急く
述らる取次は此段早速御奧へ申上ければ中納言
綱條卿は
先達てより御病氣なりしが
追々御全快にて今日は中奧に
移らせ給ひ
御酒下されて御酒宴の
最中なり中にも
山野邊主税之助と云ふは年は
『
何でも
有りませんです。
必ず
直に
御全快になられます。』
湧物なれば今なくとも出來る
時節も
有事故若其樣な事にて御
心配なさるは御無用なり
縱令御貯への
路金盡たりとも御病氣
御全快迄は御心
靜に御
逗留成るべし其間は何に
寄ず御入用有ば
仰られよ又少々の金子なれば
隨分御
用立申べし必ず然樣な事に
御遠慮あるべからずと
深切なる亭主の言葉にお花は
涙を