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ふりがな文庫
“
待遇
(
もてな
)” の例文
待遇
(
もてな
)
すやうなものではない、
銚子
(
ちょうし
)
杯
(
さかずき
)
が出る始末、
少
(
わか
)
い女中が二人まで給仕について、寝るにも
紅裏
(
べにうら
)
の
絹布
(
けんぷ
)
の
夜具
(
やぐ
)
、
枕頭
(
まくらもと
)
で
佳
(
い
)
い
薫
(
かおり
)
の
香
(
こう
)
を
焚
(
た
)
く。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふり残されし身一ツに、雨をも、雪をも、御案じ申し上げれども。かくと明かせぬ切なさは、世に隔てなく
待遇
(
もてな
)
したまふ、
良人
(
つま
)
へ我から心の関。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
ほどなく
権堂
(
ごんどう
)
の町へ入るには入ったが、どことて今時分、起きている気紛れはない。二三軒、宿屋を叩いてみたけれど、起きて
待遇
(
もてな
)
そうという家もない。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
気軽に
此所
(
ここ
)
へわざわざ訪ねて来てくれられた人の心も
嬉
(
うれ
)
しいと、私は茶など入れ、菓子などはさんで
待遇
(
もてな
)
す。
幕末維新懐古談:46 石川光明氏と心安くなったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
精いっぱいに
待遇
(
もてな
)
したが、反対に下っ端のものには、ガミガミ頭から怒鳴りつけてばかりいた。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
唯今年の冬期休暇にお勢が帰宅した時
而已
(
のみ
)
、十日ばかりも朝夕顔を見合わしていたなれど、小供の時とは違い、年頃が年頃だけに文三もよろずに遠慮勝でよそよそしく
待遇
(
もてな
)
して
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お客のない吊革は、この羊のやうな顔をした紳士を
待遇
(
もてな
)
すやうに、幾度か鼻先で小踊りをしてみせたが、大久保氏はそんな物に頓着もなく、洋傘をついた儘じつと立ち通してゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其の頃はお武家を大切にしたもので、名主年寄始め役人を
鄭重
(
ていちょう
)
に
待遇
(
もてな
)
し、御馳走などが沢山出ました。話の
序
(
ついで
)
に
彼
(
か
)
の皿塚の事をお聞きになりまして、
山川廣
(
やまかわひろし
)
という方が感心なされて
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あゝ斯くつれなく
待遇
(
もてな
)
し參らするも、故内府が御恩の萬分の一に答へん瀧口が微哀、詮ずる處、君の御爲を思へばなり。御恨みのほどもさこそと思ひ
遣
(
や
)
らるれども、今は言ひ解かん
術
(
すべ
)
もなし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
母は東京で世話になる人だといつて、彼が誇張して話したとみえて、素朴ではあるが、ひどく
慇懃
(
いんぎん
)
に
待遇
(
もてな
)
してくれるので、彼女は挨拶に困つて、
可成
(
なるべく
)
口を利かないことにしてゐるより外なかつた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
田舍の素封家などにはよくある事で、何も珍しい事のない單調な家庭では、腹立しくなるまで無理に客を引き留める、客を
待遇
(
もてな
)
さうとするよりは、寧ろそれによつて自分らの無聊を慰めようとする。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
涙は我得てこれを拭はむ、笑みはそなたに頒かたむと、世に優しくも
待遇
(
もてな
)
させたまふ、これがそも人生の不幸かや。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
お君の方について来た女中たちもまた、喜んでこのお客を
待遇
(
もてな
)
しました。前の筑前守の使の者とは打って変って、打解けた気持でこの若いお客を
待遇
(
もてな
)
すことができました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
氷月と云う汁粉屋の裏垣根に近づいた時、……秋は七草で
待遇
(
もてな
)
したろう、枯尾花に白い風が立って、雪が
一捲
(
ひとま
)
き頭巾を吹きなぐると、紋の名入の
緋葉
(
もみじ
)
がちらちらと空に舞った。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
文「逢いたいが、お
母様
(
っかさん
)
の前で
彼
(
あん
)
な荒々しい奴が話をしては、お驚きなさるといけないから、
角
(
かど
)
の
立花屋
(
たちばなや
)
へ
連
(
つれ
)
って往って、
酒肴
(
さけさかな
)
を出して
待遇
(
もてな
)
してくれ、己が
後
(
あと
)
からお暇を戴いて
往
(
ゆ
)
くから」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
田舎の
素封家
(
ものもち
)
などにはよくある事で、何も珍しい事のない単調な家庭では、腹立しくなるまで無理に客を引き留める、客を
待遇
(
もてな
)
さうとするよりは、寧ろそれによつて自分らの
無聊
(
ぶれう
)
を慰めようとする。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
遠慮気なく
余所々々
(
よそよそ
)
しく
待遇
(
もてな
)
す。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そこへ、弥兵衛が重太郎を連れ込んで盛んに
待遇
(
もてな
)
す——そこで重太郎がパッタリと妹お辻にでっくわす。お辻はこの家に身を沈めて、若村という遊女になっていたのである。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
強ひては迎へず来ればよき程に
待遇
(
もてな
)
せど、以前に変はる不愛想は、逐に金三の眼にもつきて、己れ不埓の
婦人
(
おんな
)
めとさすがの金三も怒らぬにはあらねど、流れの身には有りがちの事と
野路の菊
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
始終出て行けがしに
待遇
(
もてな
)
す。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
馬大尽
(
うまだいじん
)
の一家一門の人が、さまざまに
待遇
(
もてな
)
すのを
強
(
た
)
って辞退して帰ることにしました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
金三をもしばしば呼び迎へて快く
待遇
(
もてな
)
しそれこれの事指図を仰ぐにぞ、金三もかかる場合ながら、新たに別荘得たる心地して、掛物もこれ、敷物もこれと、追々に本宅のもの持来りて
野路の菊
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
“待遇”の意味
《名詞》
客などをもてなすこと。
雇用者が雇っている者に対し与える地位・給与など。
それに準じた扱いを受ける地位であること。
(出典:Wiktionary)
待
常用漢字
小3
部首:⼻
9画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“待遇”で始まる語句
待遇振
待遇方