引離ひきはな)” の例文
「まア、この罰当ばちあたりが!」と魔女まじょきゅうたかこえてた。「なんだって? わたしはおまえ世間せけんから引離ひきはなしていたつもりだったのに、おまえわたしだましたんだね!」
いつしか恭助けうすけぬしがみゝれば、やすからぬことむねさわがれぬ、いゑつきならずはほどこすべきみちもあれども、浮世うきよきこえ、これを別居べつきよ引離ひきはなつこと、如何いかにもしのびぬおもひあり
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひき交換とりかへたとは事實まことか? ならば何故なぜこゑまでも交換とりかへなんだぞ? あのこゑがあればこそ、いだきあうたかひなかひな引離ひきはなし、朝彦あさびこさま歌聲うたごゑで、可愛いとしいおまへ追立おひたてをる。
かすかつてつたのは、お産婦さんぷから引離ひきはなして、嬰兒あかんぼれて退どくらしい。……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うなつて、矢庭やには抱込だきこむのを、引離ひきはなす。むつくり起直おきなほる。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)