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帯留
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おびどめ
ふりがな文庫
“
帯留
(
おびどめ
)” の例文
君江は羽織をきたまま坐ったなりで、
帯揚
(
おびあげ
)
と
帯留
(
おびどめ
)
とをとり、懐中物を一ツ一ツ畳の上に抜き出しながら、矢田の顔を見てにっこりした。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お珊は
帯留
(
おびどめ
)
の
黄金
(
きん
)
金具、緑の
照々
(
きらきら
)
と輝く玉を、
烏羽玉
(
うばたま
)
の夜の帯から星を手に取るよ、と自魚の指に外ずして、見得もなく、
友染
(
ゆうぜん
)
を
柔
(
やわらか
)
な膝なりに
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そしたらね、よし子さんが、
帯留
(
おびどめ
)
ね、
先
(
せん
)
から言ってたでしょう、あれを買いに行くから付き合って
呉
(
く
)
れって言うの。
みごとな女
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
簪
(
かんざし
)
、
櫛
(
くし
)
の紋、はこせこ、
帯留
(
おびどめ
)
、何か手がかりとなる一品でもないかと
検
(
あらた
)
めてみたが、装身具は、すべて
毮
(
むし
)
り取ってあって、素性を暗示するものは、一点もない。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その上にも彼は、隅の金庫を開いて中から取出した貴金属細工のついた
帯留
(
おびどめ
)
や指環の箱、宝石入りのブローチの箱、
腕環
(
うでわ
)
の箱などをその鞄の中、ほどよきところへ押込んだ。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
これは金と
赤銅
(
しゃくどう
)
と銀とで、
蔦
(
つた
)
の葉を
綴
(
つづ
)
った金具の付いている
帯留
(
おびどめ
)
であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
帯留
(
おびどめ
)
にも財布にも——。
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
花菖蒲
(
はなあやめ
)
を
象嵌
(
ぞうがん
)
した刀の
目貫
(
めぬき
)
が、かつての形のまま
帯留
(
おびどめ
)
の金具となって用いられてあるのだった。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それという声が
懸
(
かか
)
ると、
手取早
(
てっとりばや
)
く二人の姉分の座敷着を、
背負揚
(
しょいあげ
)
、
扱帯
(
しごき
)
、
帯留
(
おびどめ
)
から
長襦袢
(
ながじゅばん
)
の
紐
(
ひも
)
まで順序よく
揃
(
そろえ
)
てちゃんと出して、自分が着換えるとその手で二人分の
穿物
(
はきもの
)
を揃えて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤地に白菊の半襟、
緋鹿
(
ひが
)
の子の腰巻、
朱鷺色
(
ときいろ
)
の
扱帯
(
しごき
)
をきりきりと巻いて、
萌黄繻子
(
もえぎじゅす
)
と緋の板じめ
縮緬
(
ちりめん
)
を打合せの帯、
結目
(
むすびめ
)
を小さく、
心
(
しん
)
を入れないで
帯上
(
おびあげ
)
は赤の菊五郎格子、
帯留
(
おびどめ
)
も赤と紫との打交ぜ
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
繻珍
(
しゅちん
)
の帯にお召の着物、
玳瑁
(
たいまい
)
の
櫛
(
くし
)
にギヤマンのかんざし、さんごの
帯留
(
おびどめ
)
に
鹿
(
か
)
の子の
帯揚
(
おびあげ
)
、そして
蒔絵
(
まきえ
)
の下駄を
穿
(
は
)
かせて、塗りのお
駕
(
かご
)
に男芸者をたくさん付けて、
堺町
(
さかいまち
)
の勘三郎芝居へ連れて行って頂戴
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帯留
(
おびどめ
)
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“帯留”の解説
帯留(おびどめ)は、女性が帯締めに通す飾り物の装身具。「帯止」という漢字が使われることもある。京都の花柳界では、舞妓用の帯留を「ぽっちり」と呼ぶ。
(出典:Wikipedia)
帯
常用漢字
小4
部首:⼱
10画
留
常用漢字
小5
部首:⽥
10画
“帯”で始まる語句
帯
帯刀
帯揚
帯紐
帯際
帯上
帯剣
帯革
帯地
帯止