山氣やまぎ)” の例文
新字:山気
ソレから其年靜岡に行くまでには馬鹿な危險の目にもおのづから出遇ツたし、今考へて見るとお話しをするにも困る程の始末だが、たゞ其頃はすこしも山氣やまぎなし
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
何處どこまで山氣やまぎがあるんだかわからないんで、わたし少々せう/\劍呑けんのんになつてるんですよ。それでもはなれてゐるうちは、まあうかしてゐるだらうぐらゐおもつてはふつてきます。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
叔父をぢ事業家じげふか色々いろ/\ことしては失敗しつぱいする、はゞ山氣やまぎおほをとこであつた。宗助そうすけ東京とうきやうにゐる時分じぶんも、よく宗助そうすけちゝけては、うまことつてかねしたものである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
專門せんもん工科こうくわ器械學きかいがくだから、企業熱きげふねつ下火したびになつた今日こんにちいへども日本中にほんぢゆう澤山たくさんある會社くわいしやに、相應さうおうくちひとつやふたつあるのは、勿論もちろんであるが、親讓おやゆづりの山氣やまぎ何處どこかにひそんでゐるものとえて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)