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山嶽
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さんがく
ふりがな文庫
“
山嶽
(
さんがく
)” の例文
新字:
山岳
夕立雲
(
ゆふだちぐも
)
が
立籠
(
たちこ
)
めたのでもなさゝうで、
山嶽
(
さんがく
)
の
趣
(
おもむ
)
きは
墨染
(
すみぞめ
)
の
法衣
(
ころも
)
を
襲
(
かさ
)
ねて、
肩
(
かた
)
に
紫
(
むらさき
)
の
濃
(
こ
)
い
袈裟
(
けさ
)
した、
大聖僧
(
だいせいそう
)
の
態
(
たい
)
がないでもない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
信仰のうちに
併呑
(
へいどん
)
された土地、鼓動してる
山嶽
(
さんがく
)
、歓喜してる空、人間の
獅子
(
しし
)
、それらにたいする賛歌を彼は飲み込んだ。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
例へば
山嶽
(
さんがく
)
、
河海
(
かかい
)
、
郊原
(
こうげん
)
、
田野
(
でんや
)
、一も順序ある者なし。故にこれに命名せんと欲せば人間の見聞し得る所の処一々に命名せざるべからず。地名これなり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
宛
(
さなが
)
ら
山嶽
(
さんがく
)
を望むが如く唯
茫然
(
ぼうぜん
)
としてこれを仰ぎ見るの傾きあるに反し、
一度
(
ひとたび
)
その
眼
(
め
)
を転じて、個性に乏しく単調にして疲労せる江戸の文学美術に対すれば
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
恵那山
(
えなさん
)
を最高の峰とする幾つかの
山嶽
(
さんがく
)
は
屏風
(
びょうぶ
)
を立て回したように、その高い街道の位置から東の方に望まれる。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
衣水子は
山嶽
(
さんがく
)
志でも読んで来たものと見え、得意になって
頻
(
しき
)
りに八溝山の講釈をやる。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
恰
(
あたか
)
も鷲の腹からうまれたやうに、少年は血を浴びて出たが、四方、山また山ばかり、
山嶽
(
さんがく
)
重畳
(
ちょうじょう
)
として更に東西を
弁
(
べん
)
じない。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
天気が天気なら、初めて接するそれらの
山嶽
(
さんがく
)
から、一行のものは激しい好奇心を
癒
(
いや
)
し得たかもしれない。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかしその矛盾は表面のみだった。彼は常に変わりながらも、常に同じだった。彼のあらゆる作品は、同一の目的に達する種々の道筋だった。彼の魂は一つの
山嶽
(
さんがく
)
であった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
製作者はまたその面に男女両性を与え、
山嶽
(
さんがく
)
的な
風貌
(
ふうぼう
)
をも付け添えてある。たとえば、
杉
(
すぎ
)
の葉の長くたれ下がったような
粗
(
あら
)
い髪、延び放題に延びた草のような
髯
(
ひげ
)
。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
錦
(
にしき
)
に
面影
(
おもかげ
)
を
留
(
と
)
めた
風情
(
ふぜい
)
は、
山嶽
(
さんがく
)
の
色香
(
いろか
)
に
思
(
おもひ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
戀
(
こひ
)
の
棧橋
(
かけはし
)
を
落
(
お
)
ちた
蒼空
(
あをぞら
)
の
雲
(
くも
)
の
餘波
(
なごり
)
のやうである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
美濃境にある
恵那山
(
えなさん
)
を最高の峰として
御坂越
(
みさかごえ
)
の方に続く幾つかの
山嶽
(
さんがく
)
は、この新築した家の南側の廊下から望まれる。半蔵が子供の時分から好きなのも、この山々だ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
実に威あって
猛
(
たけ
)
からずと言うべき山の
容儀
(
かたち
)
であるとした飛騨の翁の形容も決してほめ過ぎではなかった。あの位山を見た目で恵那山を見ると、ここにはまた別の
山嶽
(
さんがく
)
の趣がある。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
いたるところに
山嶽
(
さんがく
)
は重なり合い、河川はあふれやすい木曾のような土地に住むものは、ことにその心が深い。当時における旅行の困難を最もよく知るものは、そういう彼ら自身なのだ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
嶽
部首:⼭
17画
“山嶽”で始まる語句
山嶽的