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尻端折
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しりはしょ
ふりがな文庫
“
尻端折
(
しりはしょ
)” の例文
その後に柳橋の
幇間
(
ほうかん
)
、夢のや魯八が派手な着物に
尻端折
(
しりはしょ
)
りで立って居る。魯八は作り
欠伸
(
あくび
)
の声を
頻
(
しき
)
りにしたあとで国太郎の肩をつつく。
とと屋禅譚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
帆村荘六は、そこで
尻端折
(
しりはしょ
)
りをして、冷い
鉄梯子
(
てつばしご
)
につかまった。そして下駄をはいたまま、エッチラオッチラ上にのぼっていった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
棒縞
(
ぼうじま
)
の
糸織
(
いとおり
)
の一枚小袖、
御納戸
(
おなんど
)
博多の帯一本差し、
尻端折
(
しりはしょ
)
り雪駄ばきにて、白縮緬のさがりを見せ、腕組をしながら出て
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
既に恐ろしい山崩れの個所に
逢着
(
ほうちゃく
)
し、乗客十五人が、おのおの
尻端折
(
しりはしょ
)
りして、歩いて峠を越そうと覚悟をきめて三々五々、峠をのぼりはじめたが
服装に就いて
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ふたりは濡れ手拭に顔をつつんで、
尻端折
(
しりはしょ
)
りの足袋はだしで、ともかくも高輪の大通りまで出て来たが、もうその先は一と足も進むことが出来なくなった。
半七捕物帳:29 熊の死骸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
お隅はまた、パッチ
尻端折
(
しりはしょ
)
りの亭主の後ろ姿を見送りながら、飛騨行きの話の矢先にこんな事件の突発した半蔵が無事の帰宅を見るまでは安心しなかった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
頬冠
(
ほおかぶ
)
りに
尻端折
(
しりはしょ
)
り、草履は懐中へ忍ばせたものか、そこだけピクリと脹れているのが蛇が蛙を呑んだようだ。
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
爺さんは、むっつりと、苦虫を噛みつぶしたような面構えで、
炉傍
(
ろばた
)
に煙草を
燻
(
ふ
)
かしていた。弟の庄吾は、婆さんの手伝いで、
尻端折
(
しりはしょ
)
りになって
雑巾
(
ぞうきん
)
掛
(
が
)
けだった。
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
停車場へ着くと、
提灯
(
ちょうちん
)
を持った男が十人余り出迎えていた。
法被
(
はっぴ
)
を着た男や、
縞
(
しま
)
の羽織に
尻端折
(
しりはしょ
)
りをして、靴をはいた男などがいた。中には
羽織袴
(
はおりはかま
)
の人もあった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
驚いたのは同行すべきはずの
庄亮
(
しょうりょう
)
(歌人
吉植
(
よしうえ
)
君)が
解纜
(
かいらん
)
前五、六分前に、やっとリボンもつけない古いパナマ帽に
尻端折
(
しりはしょ
)
りで、「やあ」と飛び込んで来たことである。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
尻端折
(
しりはしょ
)
りの脚をすってん、
刎
(
は
)
ねるがごとく、二つ三つ、舞台をくるくると廻るや否や、
背後
(
うしろ
)
向きに、ちょっきり結びの
紺兵児
(
こんへこ
)
の
出尻
(
でっちり
)
で、頭から半身また幕へ
潜
(
くぐ
)
ったが
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
褐色
(
かちいろ
)
の着物に黒い帯をして、
尻端折
(
しりはしょ
)
りをし、出刃をかざした
形相
(
ぎょうそう
)
ものすごい老婆の姿に、憎しみの眼を投げると共に、その腰にすがっている振袖を着た可憐な乙女に
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
組んで、
尻端折
(
しりはしょ
)
りでやるつもりですよ。私はもう今までのような東京の人では駄目だと思って来ました
食堂
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
どこも変らず、風呂敷包を首に引掛けた
草鞋穿
(
わらじばき
)
の
親仁
(
おやじ
)
だの、日和下駄で
尻端折
(
しりはしょ
)
り、高帽という
壮佼
(
あにい
)
などが、四五人境内をぶらぶらして、何を見るやら、どれも仰向いてばかり通る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
合羽
(
かっぱ
)
も、いずれへか捨ててしまって、目に立たない色の手拭で頬かむりをして、紺看板のようなのに、三尺帯をキリリと結んで
尻端折
(
しりはしょ
)
り、紺の
股引
(
ももひき
)
と、
脚絆
(
きゃはん
)
で、すっかりと足をかため
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
半蔵は平助の付き添いに力を得て、
脚絆
(
きゃはん
)
に
草鞋
(
わらじ
)
ばき
尻端折
(
しりはしょ
)
りのかいがいしい姿になった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
不思議な
風体
(
ふうてい
)
の百姓が出来上った。高瀬は
頬冠
(
ほおかぶ
)
り、
尻端折
(
しりはしょ
)
りで、
股引
(
ももひき
)
も穿いていない。それに素足だ。
柵
(
さく
)
の外を行く人はクスクス笑って通った。とは言え高瀬は関わず働き始めた。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
生来の
寡欲
(
かよく
)
と商法の手違いとから、この多吉が古い
暖簾
(
のれん
)
も
畳
(
たた
)
まねばならなくなった時、かみさんはまた、
草鞋
(
わらじ
)
ばき
尻端折
(
しりはしょ
)
りになって「おすみ
団子
(
だんご
)
」というものを売り出したこともあり
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
尻
常用漢字
中学
部首:⼫
5画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“尻端”で始まる語句
尻端