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女瀧
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めだき
男瀧の
方はうらはらで、
石を
砕き、
地を
貫く
勢、
堂々たる
有様ぢや、
之が二つ
件の
巌に
当つて
左右に
分れて二
筋となつて
落ちるのが
身に
浸みて、
女瀧の
心を
砕く
姿は
況して
此の
水上は、
昨日孤家の
婦人と
水を
浴びた
処と
思ふと、
気の
精か
其の
女瀧の
中に
絵のやうな
彼の
婦人の
姿が
歴々、と
浮いて
出ると
巻込まれて、
沈んだと
思ふと
又浮いて
流るゝ
音さへ
別様に、
泣くか、
怨むかとも
思はれるが、あはれにも
優しい
女瀧ぢや。