地震なゐ)” の例文
と、さそはれたかれも、ぐら/\と地震なゐふるはかなかに、一所いつしよんでるもののやうなおもひがして、をかしいばかり不安ふあんでならぬ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
フィアルテ忽ち身をれり、いかに強き地震なゐといへどもその塔をゆるがすことかく劇しきはなし 一〇六—一〇八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わらはが隣の祖母様ばばさまは、きつい朝起きぢやが、この三月みつきヶ程は、毎朝毎朝、一番鶏も啼かぬあひだけしい鳥の啼声を空に聞くといふし、また人の噂では、先頃さきごろ摂津住吉の地震なゐ強く
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
かにかくにうつろふ冬や、隙間洩る風を寒みと、れはてし家にこもると、はららうつ雨のこまかに、置く霜の置くと解くれば、ふる地震なゐのふるとにつつ、おのづから霞立つ日ののどけくなりぬ。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
地震なゐくづれそのままなれや石崖に枝垂しだれ桜は咲き枝垂れたり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
休みなく地震なゐして秋の月明にあはれ燃ゆるか東京の街
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
地震なゐをどりいうなれば
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
地震なゐつてうごき、まち此方こちらかたむいたやうに、わツとおここゑひとしく、御神輿おみこし大波おほなみつて、どどどとつてかへして、づしんと其處そこ縁臺えんだいすわつた。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かにかくにうつらふ冬や、隙間洩る風を寒むみと、れはてし家にこもると、はららうつ雨のこまかに、置く霜の置くとくれば、ふる地震なゐのふるとにつつ、おのづから霞立つ日ののどけくなりぬ。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
よく見れば白くさやけき不二ののみぎり欠けたり地震なゐの崩えかも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつしかとなごに来ぬらし向山むかやま地震なゐえ土萠えかすみつつ
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ロダンのユウゴーの首を見てゐる子かすけき地震なゐに夜を驚きぬ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつしかとなごみ来ぬらし向山むかやま地震なゐえ土萌えかすみつつ
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
田の蛙しくしづもる時たちて音とほりけり深き夜の地震なゐ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
田の蛙しくしづもる時たちて音とほりけり深き夜の地震なゐ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)