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單調
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たんてう
が、
彼は
年月の
經つと
共に、
此事業の
單調なのと、
明瞭に
益の
無いのとを
認めるに
從つて、
段々と
厭きて
來た。
彼は
思ふたのである。
狹い
京都に
飽きた
宗助は、
單調な
生活を
破る
色彩として、さう
云ふ
出來事も百
年に一
度位は
必要だらうと
迄思つた。
或時徒然なるに
任せて、
書物の
明細な
目録を
編成し、
書物の
背には
札を一々
貼付けたが、
這麼機械的な
單調な
仕事が、
却つて
何故か
奇妙に
彼の
思想を
弄して、
興味をさへ
添へしめてゐた。
自然の
勢として、
彼等の
生活は
單調に
流れない
譯に
行かなかつた。
此の六
號室程單調な
生活は、
何處を
尋ねても
無いであらう。