)” の例文
「なにをいうかと思えば、愚にもつかぬざきごと。だが、少しおもしろい、その独りよがりをましてやろう。来いっ。彼方むこうへ立とう」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ写楽が、煙管きせるを長く描いたもんだから、後々あとあとのうるさがりやが、高い背丈と釣合いの煙管なんて、そんなことをざいたそうなんだよ。喜代太郎が、どうして高えもんかな
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「辻の篝屋かがりやにかかるたび、辻立ちの武者どもが、お車の内をさし覗いたり、私へも、さまざま、嫌がらせなど、ざきまいた」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「吾々を、眼も耳もない木偶でくと思いおるのか。——今、たしかにこの二階で、大声で唄をざいていた奴がいる」
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ウーム、よくも広言をざいたな。きっと出直した上にはこの下屋敷を踏みつぶしてくれるから覚えておれ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「嘘な筈があるか。都では隠れもない取沙汰だ。かあいそうに、あの年よりが、一枚一枚、手足の生爪をがされて、常磐の行方を云え、行方をざけと——」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『何、見のがしてくれ。よくも、左様な腰抜けことばがざけたものだ。これっ……やいっ……馬鹿家老』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うるせえや、見物人めら。まだまだ、おれの負けじゃアねえ。第三には、人を斬っても、刃の肌に血の痕を残さねえと、ざいたはずだ。さあ浪人、証拠を見せろ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さっきから隣でだまって聞いていれば、慈悲も情けもない云い草、もういっぺんざいてみろ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よくざいた。人間の皮をかぶッて。——うぬとて、昨日今日の武家郎党ではあるまいに」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きさまらは、泣き言まじりの口癖にさえ、こんな苦役も、女房子のためだとざいているではないか。もし厄難やくなんに出あったらどうするか。褒美はおろか一命もおぼつかないぞ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どんな文句をざくのか、ひとつ聞いてやりましょう。おい誰か、とうむちを持って来い」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれのつらを、似絵にえ(似顔絵)に描いてやるなどとざいた時もだ、腹では、くそでもくらえと思ったが、わざと尻尾しっぽを巻いて逃げ出したのも、今日のキメ手があったればこそだ。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「虫けらめ! なんとざいたッ——」ぴゅんと、やいばのみねが鳴って、一人の法師の首すじを打った。ねとばされた棒切れは、宙に飛んで二、三人が左右へもんどり打ってちらかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ざくな。そのためにおらは何度も断ってある。その断りかたが気にくわねえにせよ、なぜ、おらが立つ前に、あちらの客衆が迷惑したのを、黙りこくって、知らぬふりしていさらしたのじゃ
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝手なことをざくだろうと思って、気を腐らして帰って来たところです
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『平太ではないか。何をざいておるのじゃ、何を。……小生意気に』
『粋狂? ……そう見えるか。江戸の人間には、そうも見えようなあ。おぬしのように、明日の日本が、うなるかも知らず、飲んで、囈言たわことざいて、虫けらみたいに、生きている奴が大概だから』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よくざいた左慈。果たして汝は劉玄徳の廻し者であったことよ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あな、面憎つらにくや。天下、人もなげなる大言を、ざきおる奴」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、悪人が悪事に失策しくじると、きまってざくもろい声をあげた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その眸の奥もよく見ずに、能登はなおざきちらした。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何とでも、存分にざいておれ。——今にみよ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だまれ。おのれ手なみを見てからざけ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ざきましたゆえ、らしめずばなるまいと
『不正があるとは、何をざくか』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おのれ、ざいたな!」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ざいたな、広言こうげんを」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ちッ、ざいたな」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ざきやがったな』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)