トップ
>
叙
>
の
ふりがな文庫
“
叙
(
の
)” の例文
旧字:
敍
彼らのかいたものには筋のないものが多い。進水式をかく。すると進水式の雑然たる光景を雑然と
叙
(
の
)
べて知らぬ顔をしている。
写生文
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宋主が寂照を見たまうに及びて、我が日本の事を問いたもうたので、寂照は紙筆を請いて、我が神聖なる国体、優美なる民俗を答え
叙
(
の
)
べた。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
帝王と神女の間を靡爛した筆で
叙
(
の
)
べるばかりか、帝王と後宮の人々との上にまで及ぼして、愛欲の無何有郷を細やかに、誘惑的に描写して居る。
国文学の発生(第二稿)
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
と、登って来た二頭の荷駄を迎えて、
凡
(
ただ
)
ならぬ親しみで
久闊
(
きゅうかつ
)
の情を
叙
(
の
)
べたり、無事を歓び合ったりしているのであった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それはみな一流の
佳人
(
かじん
)
と才子、または少なくとも選抜せられた或る男女の仲らいを
叙
(
の
)
べたものでありました。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
とはいへ私は人種改良の偏見に対して『恋愛と結婚』の中に人類は恋愛中に種族の向上発展に最も効果ある淘汰の方法を発見したと云ふ仮説を
叙
(
の
)
べて置いた。
恋愛と道徳
(新字旧仮名)
/
エレン・ケイ
(著)
決して世間に対しまたは夫に対して、不満の情を
叙
(
の
)
べるのではないという事を明らかにするために、自分は、夫の学識は、世俗の尊重する
冠冕
(
かんべん
)
爵位にも優って
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
支那にも鶏に寄せて閨情を
叙
(
の
)
べたのが少なくない。余一切経を通覧せしも、男女が鶏のつれなさを恨んだインドの記事を一つも見なんだ。欧州にも少ないらしい。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
現在藁草履を穿いている様も
叙
(
の
)
べず、藁草履の新なことにも言及せず、ただ「元朝にはくべき物や」という風に語を下し来ったため、やや観念的に
堕
(
だ
)
した
嫌
(
きらい
)
はあるけれども
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
いや、こゝは、私のヰタセクスアリスを、
叙
(
の
)
べさせて貰つてゐる可き舞台ではなかつた。
吉原百人斬り
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
吾人
(
ごじん
)
は敢て
此処
(
ここ
)
において彼れの行事を
叙
(
の
)
べんと欲するに非ず、ただこれを以て松陰の履歴に比すれば、彼も
此
(
これ
)
も、獄中の生涯と、陰謀の生涯とを以て、
重
(
おも
)
なる生涯と為したることを
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
時には朝より夕までおりつづけて勇蔵の伝記を
叙
(
の
)
べたり、しかしてその逸事のすでに尽くるころは、阿園の耳も勇蔵に
厭
(
あ
)
き、今は佐太郎いねば留守を守る心地し、佐太郎もまた阿園の顔を離れては
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
ハークマのお母さんの死んだ時もそうであったと
叙
(
の
)
べている。
不吉の音と学士会院の鐘
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
彼は時儀を
叙
(
の
)
ぶるに
迨
(
およ
)
ばずして
忙
(
せは
)
しげにかく
問出
(
とひい
)
でぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まるで
久濶
(
きゅうかつ
)
を
叙
(
の
)
べ合っている旧友のようだった。しかし二人の古い面識は、そんな温かいものでなく、思い出せばなかなか身の毛のよだつものだったのである。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
故にこれに関する民族と伝説は無尽蔵でこれを概要して規律正しく
叙
(
の
)
ぶるはとても拙筆では出来ぬ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
アンデルセンが「月の物語」の初章に、深夜に谷川に
降
(
くだ
)
って
燈
(
ともしび
)
を水に流し、思う男の安否を
卜
(
ぼく
)
せんとしたインドの少女が「
活
(
い
)
きている」と
悦
(
よろこ
)
んで叫んだ光景が
叙
(
の
)
べてある。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
また焼討の奇策あり、その方左に
叙
(
の
)
ぶべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
本来、
久闊
(
きゅうかつ
)
の情も
叙
(
の
)
ぶべきなれど、主君玄徳の命をうけて、今日、これにて丞相を待ちうけたる関羽は、私の関羽にあらず。——聞く、英雄の死は天地も
哭
(
な
)
くと。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
始終女の心になりて
可笑味
(
おかしみ
)
を
叙
(
の
)
べたもの故、ここも水
渉
(
わた
)
るため
脛
(
はぎ
)
高く掲げしかば、心にもあらで、ホヤの妻ともいうべき貽貝や鰒様の姿を、葦の影の間に映し見せたてふ
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
猿の
婿入
(
むこいり
)
の昔話は、前にすでに大要を
叙
(
の
)
べておいたが、これにも欺き終おせて無事に還ってきたという童話式のもののほかに、とうとう娘を取られたという因縁話も伝わっている。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と、一房へみちびき迎え、さて、一別以来の旧情なども
叙
(
の
)
べ終ると、戴宗はあらたまって
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
詩を謳つて無情を
叙
(
の
)
べるしか人間には解決の方法がない。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
琵琶行の序詩には、その由来が、こう
叙
(
の
)
べられている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、まず
久闊
(
きゅうかつ
)
の
情
(
じょう
)
を
叙
(
の
)
べ
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
久濶
(
きゆうかつ
)
を
叙
(
の
)
べた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
叙
常用漢字
中学
部首:⼜
9画
“叙”を含む語句
叙事詩
叙情詩
叙任
叙述
宣叙調
叙唱
細叙
叙位
陞叙
叙勲
叙爵
叙景
叙情的
略叙
姜叙
宣叙
柳氏叙訓
面叙
自叙伝
記叙
...