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千曲
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ちくま
ふりがな文庫
“
千曲
(
ちくま
)” の例文
川中島の
洲
(
す
)
を
繞
(
めぐ
)
る疎林や、丘の草にも、
仄
(
ほの
)
かな緑が
萠
(
も
)
え出して、信濃の春は、
雪解
(
ゆきげ
)
を流す
千曲
(
ちくま
)
川の早瀬のように、いっさんに訪れて来た。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久しぶりの
千曲
(
ちくま
)
川はその林のはづれの崖の眞下に相も變らず青く湛へて流れてゐた。川上にも川下にも眞白な瀬を立てながら。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
千曲
(
ちくま
)
川へ飛びこみ、
箭
(
や
)
のようにその流れを泳ぎ渡って、小牧山を乗り越え、それから須川の池へ身を隠してしまった。
赤い牛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして自分のすぐ前の山の、又その向ふの山を越えて、
遙
(
はる
)
かに帯を
曳
(
ひ
)
いたやうな
銀
(
しろがね
)
の色のきらめき、あれは恐らく
千曲
(
ちくま
)
の流れで、その又向ふに続々と黒い人家の見えるのは、大方中野の町であらう。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
子を
産
(
うみ
)
つける所はかれが心にありて
一定
(
いちぢやう
)
ならずといへども、
千曲
(
ちくま
)
と
魚野
(
うをの
)
の
両
(
りやう
)
河の
合
(
がつ
)
する川口といふより
沙
(
すな
)
に小石のまじるゆゑ、これよりをおのれが
産
(
うむ
)
所とし、
流
(
なが
)
れの
絶急
(
はげし
)
からぬ清き
流水
(
りうすゐ
)
の所に
産
(
うむ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
大根、かぶら、それらの野菜が、二人の平素の
食料
(
くいしろ
)
であった。そういう貧しい中にあっても、お霜は決して
鳰鳥
(
におどり
)
を——しかし彼女はその頃は鳰鳥と呼ばれてはいなかった。彼女は
千曲
(
ちくま
)
と呼ばれていた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
往きかへり、
千曲
(
ちくま
)
の川の
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
千曲
(
ちくま
)
少女
(
をとめ
)
のたましひの
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
北に
犀
(
さい
)
川
千曲
(
ちくま
)
川
県歌 信濃の国
(新字新仮名)
/
浅井洌
(著)
「一軍は、野尻を越えて、善光寺へ出でよ。一軍は謙信みずから率いて、富倉峠をこえ、
千曲
(
ちくま
)
の
畔
(
ほとり
)
へ出るであろう」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
北海
(
ほくかい
)
新潟
(
にひがた
)
の
海門
(
みなと
)
におつる
大河
(
だいが
)
は
阿加
(
あか
)
川と
千曲
(
ちくま
)
川と也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
犀川
(
さいかわ
)
に沿い、
千曲
(
ちくま
)
の急流を測り、山に拠ってみたり、丘を擁して兵馬を休めてみたり、容易に、その
拠
(
よ
)
るところの全陣地が定まらないもののように見えた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
稀
(
ま
)
れに又、その梅作のかなしげな泣き声が、
千曲
(
ちくま
)
の水の
咽
(
むせ
)
びかとも聞えることがある。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上田の城下へ入る前に、
追分
(
おいわけ
)
の辻から
佐久
(
さく
)
街道へ折れて、青々とした麦畑や、
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
に染め分けられた耕地や森や、
千曲
(
ちくま
)
の
清冽
(
せいれつ
)
などを見渡しながら、フイに、お十夜がこう言いだした。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「彼奴に、追いつかれては大変だ。——というて、この信濃路、山越えして
諏訪
(
すわ
)
へ抜けるか、
千曲
(
ちくま
)
の川原を渡って、
更級
(
さらしな
)
、
水内
(
みのち
)
から越後路へ
奔
(
はし
)
るか、二つのうちだが……忠太はどう考えるぞ」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千曲
(
ちくま
)
の板橋を渡るとすぐに、日当りのいい
河原蓬
(
かわらよもぎ
)
へ腰をおろすと
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千
常用漢字
小1
部首:⼗
3画
曲
常用漢字
小3
部首:⽈
6画
“千曲”で始まる語句
千曲川
千曲姫