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侍者
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じしや
此間迄侍者をしてゐましたが、
此頃では
塔頭にある
古い
庵室に
手を
入れて、
其所に
住んでゐるとか
聞きました。
何うですか、まあ
着いたら
尋ねて
御覽なさい。
願ひ度と申
出しが百姓の
分際にて御
直に御目通りは叶ひ
難しと申せしかば
斯の仕合なりと言に
方丈は其者是へ
通せと申さるゝゆゑ
侍者の坊主
立出コレ
各々方鎭まられよコリヤ百姓
和尚樣御
逢成るゝに因て此方へ通るべしと言を
と
書いて
呉れる
時、わざ/\
注意があつたので、
宗助は
禮を
云つて
手紙を
受取りながら、
侍者だの
塔頭だのといふ
自分には
全く
耳新らしい
言葉の
説明を
聞いて
歸つたのである。
侍者をしてゐた
頃などは、
老師の
犢鼻褌迄洗はせられたと
云つた。