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佛樣
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ほとけさま
「十三
囘忌、はあ、
大分久しいあとの
佛樣を、あの
徒には
猶更奇特な
事でござります。」と
手拭を
掴んだ
手を、
胸に
置いて
傾いて
『
神樣、
佛樣、
奧樣と
日出雄樣の
御身をお
助け
下さい。』と
叫んだ
儘、
狂氣の
如くに
走り
去つた。
かういふ
埴輪の
人形を
作つてゐる
時に、
朝鮮から
佛教が
傳はり、お
釋迦さま、
彌勒さま、
觀音さまのような
佛樣の
像が
持ちこまれたのですから、
驚いたのはむりもないのです。
「
旦那、くどい
事をお
尋ね
申しますやうでござりますが、あの
其の十三
囘忌の
今日の
佛樣は、
旦那衆でござりますか、それとも
御婦人で、」
十三
囘忌の
其の
佛樣は、
貴方の
御母樣でいらつしやいませう。
坊ちやん、
前に
御厄介になりました
友造でござります、
最う、お
覺えはござりますまい。