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余所事
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よそごと
ふりがな文庫
“
余所事
(
よそごと
)” の例文
また妹が一人
殖
(
ふ
)
えました、どうして
家
(
うち
)
には男の子が出来ないんでしょうなどと書いてあったが、
余所事
(
よそごと
)
のような気持で、
嬉
(
うれ
)
しくも悲しくもなかった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「何と云ッて出たものだろう?」と
強
(
し
)
いて考えてみても、心
奴
(
め
)
がいう事を聴かず、それとは全く
関繋
(
かんけい
)
もない
余所事
(
よそごと
)
を
何時
(
いつ
)
からともなく思ッてしまう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
吾輩外国人の書を読み、かかる虐政行なわれたればこそ仏国に大不祥の事変を生出せるなれと、
余所事
(
よそごと
)
に聞き流したる当時を、今となって反って恋しく思うなり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
かかる事を確かに聞きながら
余所事
(
よそごと
)
に
看過
(
かんか
)
して国に帰るということはどうしても出来ません。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
捨てられし後は国を慕うはますます切なり、朝は送るに
良人
(
りょうじん
)
なく、夕は向うるに恋人なく、今は孤独の身となりて、
斉
(
ととの
)
うべきの家もなく、閑暇
勝
(
がち
)
にて
余所事
(
よそごと
)
に心を使い得るにもせよ
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
其
(
そ
)
の
心
(
こゝろ
)
が
通
(
つう
)
ずるのか、
貴下
(
あなた
)
も
年月
(
としつき
)
経
(
た
)
ち、
日
(
ひ
)
が
経
(
た
)
つても、
私
(
わたし
)
の
事
(
こと
)
をお
忘
(
わす
)
れなさらず、
昨日
(
きのふ
)
までも
一昨日
(
おとゝひ
)
までも、
思
(
おも
)
ひ
詰
(
つ
)
めて
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さいましたが、
奥様
(
おくさま
)
が
出来
(
でき
)
たので、つひ
余所事
(
よそごと
)
になさいました。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それにしても自分の細君が今にも絶息しそうな勢で
咳
(
せ
)
き込んでいるのを、まるで
余所事
(
よそごと
)
のように聴いて、こんなものを平気で読んでいられるところが、
如何
(
いか
)
にも
能
(
よ
)
くこの男の性質をあらわしていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と先ず
余所事
(
よそごと
)
らしく話しかける。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「ヘー」ト
余所事
(
よそごと
)
に聞流していてさらに取合わなかッた、それが
未
(
いま
)
だに気になって気になってならないので。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
燃えのこりの生命が
燻
(
くすぶ
)
り出したような感じで、今まで
余所事
(
よそごと
)
のように読みすごして来た外国の作品などに、新らしい興味を覚え、もしも余生がこの先き十年もあるものなら
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
と
余所事
(
よそごと
)
に思わぬ経済主義
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
遂
(
つい
)
にはホッと精を尽かしてしまい、勇には随意に空気を鼓動さして置いて、自分は自分で
余所事
(
よそごと
)
を、と云たところがお勢の上や身の成行で、熟思黙想しながら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“余所”で始まる語句
余所
余所行
余所目
余所余所
余所々々
余所見
余所眼
余所人
余所外
余所行姿