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仰飲
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あお
ふりがな文庫
“
仰飲
(
あお
)” の例文
旧字:
仰飮
そういう後では、父はさらに大酒を
仰飲
(
あお
)
って「男の子は男親につくのだ。おふくろの後など追うな。外へ出てゆくと家に入れないぞ」
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世間は気次第で
忌々
(
いまいま
)
しくも面白くもなるものゆえ、できるだけは
卑劣
(
けち
)
な
鏽
(
さび
)
を根性に着けず
瀟洒
(
あっさり
)
と世を奇麗に渡りさえすればそれで好いわ、と云いさしてぐいと
仰飲
(
あお
)
ぎ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あくまで無礼な、人を人とも思わぬかの東条という
奴
(
やつ
)
、と
酔醒
(
よいざ
)
めの水を一息に
仰飲
(
あお
)
って、辰弥は独りわが部屋に、
眼
(
まなこ
)
を光らして一方を
睨
(
にら
)
みつつ、全体おれを何と思っているのだ。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
「くそっ」平次郎の眼はまったく
夜叉仮面
(
やしゃめん
)
のように吊り上がって、酒と、邪推と、白刃の三つに毒を
仰飲
(
あお
)
ったように狂っているのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誰でも彼でもすぐに遊びによこすよう、という片手間にぐいぐい
仰飲
(
あお
)
る間もなく入り来る女どもに、今晩なぞとは手ぬるいぞ、とまっ向から
焦躁
(
じれ
)
を吹っかけて、飲め、酒は
車懸
(
くるまがか
)
り
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
床几
(
しょうぎ
)
のままで、一
碗
(
わん
)
の酒を
仰飲
(
あお
)
るぐらいはしたかもしれぬ。が、おそらく酒もりと呼べるような酒など
酌
(
く
)
みあう余裕はなかったとみられよう。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女はグイとまた
仰飲
(
あお
)
って、冷然として云い放った。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
悪酒を
仰飲
(
あお
)
ッた一気の酔いに
淋漓
(
りんり
)
たる鬼のように、こういったのは無思慮な血気や、軽輩にすぎなかった。——当然、このあとのものが来る。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして昼見た夢の、ふるさとの、じじやらばばやら女房子などについひかれて、味ない酒をただ
沈湎
(
ちんめん
)
と
仰飲
(
あお
)
っていたが
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう次の間で飲み初め、
嫉
(
や
)
けてくるのか、すこぶるご機嫌がななめである。
戴宗
(
たいそう
)
も大杯で
仰飲
(
あお
)
るし、
柴進
(
さいしん
)
も負けてない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いつも
自暴
(
やけ
)
に酒を
仰飲
(
あお
)
って執こくからむのだが、きょうは酒気はないし、青白い顔をしているのだった。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
内蔵助は、発狂したように、手を
拍
(
う
)
って笑った。ひどく笑い出すと、この頃のお大尽は、手を拍っただけではやまない。
酒杯
(
さかずき
)
を
仰飲
(
あお
)
ってやたらにそこらの人間へ
酌
(
さ
)
す。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弟の影が見えなくなると、
武大
(
ぶだ
)
は軒下で声を上げて泣いた。——その泣き顔を持って二階へ戻ると、金蓮はケラケラ笑った。残りの酒を独りで
仰飲
(
あお
)
ッていたのである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
常に持っている小さい紙包みを、顔の上に逆さにして、緑青の粉を、一口に
仰飲
(
あお
)
った。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一睡
(
いっすい
)
に入る前に、
嗜
(
たしな
)
む酒を
仰飲
(
あお
)
ったとみえ、座のかたわらに朱の大盃が
乾
(
かわ
)
いていた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さっそく焼肉の包みを解いて
肴
(
さかな
)
とし、
瓢
(
ひょう
)
の口から冷や酒を
仰飲
(
あお
)
っていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「世間は広うございますぜ、小野派ばかりが剣術の
司
(
つかさ
)
でもあるめえし、もっと腹を大きくお持ちなせえ。そして
稀
(
たま
)
にゃ男らしく、グンと酒でも
仰飲
(
あお
)
らなけりゃ、生身が続くもんじゃありません」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
にが笑いを注ぎこんで、典馬は、茶碗の酒を
仰飲
(
あお
)
った。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
炙
(
あぶ
)
った鶏の肉を裂き、酒を
仰飲
(
あお
)
っていた
周
(
まわ
)
りの賊も
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
将門は、ついに、毒杯を
仰飲
(
あお
)
った。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ついでに、
苦々
(
にがにが
)
と杯を
仰飲
(
あお
)
って。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義仲は、酒を
仰飲
(
あお
)
っていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
飲
常用漢字
小3
部首:⾷
12画
“仰”で始まる語句
仰
仰向
仰有
仰山
仰言
仰天
仰臥
仰々
仰付
仰反